ORTF

ORTF（フランス放送協会）とは

ORTF（Office de Radiodiffusion Télévision Française、フランス放送協会）は、かつて存在したフランスの国営テレビ・ラジオ局です。1964年に、それまで存在したフランス国営放送（RTF、Radiodiffusion-Télévision Française）から名称を変更して設立されました。ORTFは、フランスにおける公共放送の中核を担い、ラジオとテレビの両方で多様な番組を放送していました。

歴史

ORTFは、フランスのメディア業界において重要な役割を果たしていましたが、その歴史は比較的短いものでした。1964年の設立からわずか10年後の1974年2月、当時の会長マルソー・ロングによって廃止が発表され、同年12月31日に閉局しました。このORTFの解体は、フランスの放送業界における大きな転換点となりました。

ORTFの解体後、その組織は複数の会社に分割されました。これにより、現在のフランス・テレビジョンやラジオ・フランスといった、フランスを代表する放送局が誕生することになりました。この組織再編は、フランスの公共放送のあり方に大きな影響を与えました。

運営されていたチャンネル

ORTFは、ラジオとテレビの両方で複数のチャンネルを運営していました。これらのチャンネルは、フランス国民に多様な情報とエンターテイメントを提供していました。

ラジオチャンネル

France Inter: フランスを代表するラジオ局の一つで、ニュース、トーク番組、音楽など幅広いジャンルの番組を放送していました。
France Culture: 文化、芸術、思想に関する番組を専門に放送し、知識層を中心に高い人気を誇っていました。
France Musique: クラシック音楽、ジャズ、現代音楽など、音楽に特化した番組を放送していました。
France Inter Paris（FIP）: パリを中心に、都市生活に密着した音楽番組を放送していました。

テレビチャンネル

La Première chaîne: フランスの主要なテレビチャンネルの一つで、ニュース、ドラマ、娯楽番組など多様な番組を放送していました。
La Deuxième chaîne: スポーツ中継や娯楽番組を中心に放送し、若年層にも人気がありました。
* La Troisième chaîne: 1972年12月31日に開局し、実験的な番組や文化的な番組を放送していました。

ORTFの解体がもたらした影響

ORTFの解体は、フランスのメディア業界に大きな変革をもたらしました。国営放送の独占体制が崩れ、競争原理が導入されることになりました。これにより、番組の多様性が増し、視聴者の選択肢が広がった一方で、商業主義的な番組が増加するという側面もありました。

ORTFの歴史は、フランスの放送業界における重要な出来事であり、その影響は現代のメディア環境にも及んでいます。ORTFの解体とその後の組織再編は、公共放送のあり方を考える上で、重要な教訓となっています。

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