OUT OF THE BLUE

OUT OF THE BLUE（アウト・オブ・ザ・ブルー）

『OUT OF THE BLUE』は、日本のシンガーソングライター、山崎まさよしによって2005年9月21日に発表されたベストアルバムです。彼のメジャーデビュー10周年という記念すべきタイミングに合わせて企画され、発売元はユニバーサルミュージックでした。

このアルバムは、彼の作品群の中でもユニークな位置を占める、シングルCDに収録されていたカップリング楽曲に焦点を当てたコレクションです。2枚組というボリュームで構成されており、Disc 1にはボーカルを含む楽曲、そしてDisc 2にはインストゥルメンタル作品がそれぞれ収められています。これにより、山崎まさよしの多彩な音楽性と、普段はA面曲の陰に隠れがちなカップリング曲にも光を当てる試みとなっています。

収録楽曲は全て最新のリマスタリングが施されており、当時の技術で最適化されたサウンドを楽しむことができます。また、このアルバムの大きな特徴の一つとして、ボーナス・トラックの存在が挙げられます。具体的には、当時まだ正式なCDパッケージとしてはリリースされていなかった3曲が特別に追加収録されました。これには、三菱自動車のCMで耳馴染みだった「どこまでも行こう」、キリンラガービールのCMに起用された「Stand by me」、そしてFMラジオでのオンエアのみで親しまれていた「風の伝言（メッセージ）」が含まれています。これらの楽曲が初めて公式アルバムに収録されたことは、多くのファンにとって嬉しい知らせでした。

選曲にあたっては、多くのカップリング曲がアルバム初収録となりましたが、既にオリジナルのスタジオアルバムに収録されており、今回のリリースにあたって特別なバージョン変更がない楽曲は、意図的に収録対象から外されています。これは、あくまで「シングルカップリング曲集」としてのコンセプトを明確にするための判断と言えるでしょう。

この『OUT OF THE BLUE』は、同じ発売日にリリースされたシングルA面曲のベストアルバム『BLUE PERIOD』と対をなす作品として企画されました。両作を合わせることで、デビューから10年間における山崎まさよしのシングルにまつわる音楽的な軌跡を網羅できるようになっています。なお、これら2枚のベストアルバムの登場を機に、彼の初期シングル作品（「僕と不良と校庭で」までの計16タイトル）は市場での生産が終了し、廃盤となりました。これは、今後の作品展開を見据えた、ある種の区切りを示す出来事でもありました。

『OUT OF THE BLUE』は、山崎まさよしの知られざる名曲、あるいは普段あまりスポットの当たらない彼の音楽的側面に触れることができる貴重な作品であり、10周年を記念するリリースにふさわしい、充実した内容のベストアルバムと言えるでしょう。

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