OZAKI・18

尾崎豊 『OZAKI・18』

『OZAKI・18』（オザキ・エイティーン）は、孤高のシンガーソングライター、尾崎豊の足跡を辿る上で非常に重要な意味を持つライブ映像作品です。彼のビデオ作品としては通算4作目にあたり、映画監督としても知られる佐藤輝が監督を務めています。

本作は、1996年11月29日にソニー・ミュージックレコーズから初めてVHSとして世に送り出されました。その後、2006年4月19日には多くのファンの要望に応える形でDVD化され、再びリリースされています。

収録内容：伝説の初ライブ

この作品の最大の魅力は、尾崎豊がプロとしての第一歩を踏み出したとされる、記念すべきキャリア初の単独ライブの模様が収録されている点にあります。開催されたのは、1984年3月15日。場所は、当時のライブハウスシーンにおいて重要な位置を占めていた新宿ルイードでした。

ライブが行われたこの日は、尾崎自身が中退した母校、青山学院高等部の卒業式と同日でした。この偶然、あるいは意図されたかのようなタイミングが、彼の若き反抗心や複雑な心境を象徴しているかのようにも映ります。また、この記念すべき初めてのライブには、親しい友人たちも会場に招かれていたと伝えられています。まだ大勢の観客の前でのパフォーマンスに慣れていないであろう18歳の尾崎が、限られた空間で、親しい人々の見守る中で放つ生々しいエネルギーは、まさに彼の音楽の原点と言えるでしょう。

映像には、デビューアルバム『十七歳の地図』に収録された楽曲を中心に、後のライブでは定番となる衝動的なパフォーマンスの萌芽が記録されています。観る者は、メジャーシーンに登場する直前の、研ぎ澄まされた感性と剥き出しの感情を持つ尾崎豊の姿を目の当たりにすることができます。

収録楽曲

本作には、以下の全13曲が収録されています。いずれも作詞・作曲は尾崎豊自身によるものです。

街の風景 - SCENES OF TOWN
はじまりさえ歌えない - CAN'T SING EVEN THE BEGINNING
BOW!
傷つけた人々へ - TO ALL THAT I HURT
僕が僕であるために - MY SONG
I LOVE YOU
OH MY LITTLE GIRL
ハイスクールROCK'N'ROLL - HIGH SCHOOL ROCK'N'ROLL
十七歳の地図 - SEVENTEEN'S MAP
愛の消えた街 - LOVELESS TOWN
15の夜 - THE NIGHT
シェリー - SHELLY
* ダンスホール - DANCE HALL

これらの楽曲は、当時の彼の内面世界や社会へのメッセージを強く反映しており、初々しさと危うさが同居したこのライブパフォーマンスを通じて、尾崎豊というアーティストが誕生した瞬間の息吹を感じ取ることができます。『OZAKI・18』は、尾崎豊の音楽に触れる上で、彼の「今」を形作った「原点」を知るための、欠かせない映像作品と言えるでしょう。

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