One Last Kiss (アルバム)

『One Last Kiss』 - 宇多田ヒカルのEP

『One Last Kiss』は、2021年3月10日にエピックレコードジャパンからリリースされた宇多田ヒカルのEPである。本作は、これまでに彼女が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズに提供した楽曲を全て集めた作品で、表題曲の「One Last Kiss」は、リリースの前日、3月9日に先行配信された。

リリース情報

EPは、通常版CDと完全生産限定LP盤の2種類で提供された。CD版は初回仕様として紙ジャケットが用意されるとともに、先着購入者にはジャケットビジュアルのステッカーが特典として付属した。このCDとアナログ盤の発売は、宇多田が「Face My Fears」をリリースして以来約2年ぶりとなり、アルバムとしては「初恋」以来の新作となった。

ジャケットアートには『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』で使用される原画が選ばれており、CDには碇シンジ、アナログ盤には綾波レイが描かれている。また、海外盤LPでは式波・アスカ・ラングレーのアートも使用されている。アメリカのレーベルMilan RecordsからUS盤は2021年8月20日、EU盤は10月22日に発売された。日本での輸入盤の発売は生産上の理由から延期され、US盤は9月10日、EU盤は11月26日に発売された。さらに、EU盤およびUS盤には宇多田の英訳詞が記載された歌詞カードが含まれ、アナログ盤はカラーヴァイナル仕様で、US盤は透明、EU盤はブルーという2種類が用意された。

チャート成績

本EPは、2021年3月22日付のオリコン週間アルバムチャートで初登場2位を記録し、61,773枚を売り上げた。宇多田ヒカルにとって、名義を「Utada」以外にしたアルバムでは初めて初登場で1位を逃したこととなった。一方で、同週の「オリコン週間デジタルアルバムランキング」では、約2.2万ダウンロード（21,986DL）で1位を獲得。この記録は、2021年内での週間ダウンロード数としては最高値である。

Billboard Japanでは、ダウンロード数が19,760DLで1位に輝き、CDセールスは60,116枚で2位、さらにCDの読み取り回数のルックアップでは4位となり、総合的に判断された「Billboard Japan Hot Albums」において首位を獲得した。

2021年8月20日、LPの海外盤がアメリカで発売されると、9月4日付の「US Billboard Vinyl Albums Charts」で初登場15位となり、翌週には13位に上昇。発売前日には、日本における国内盤とUS盤のアナログ盤の出荷枚数が8万枚を突破したと発表され、オリコンアルバムチャートでは4位にランクインした。また、11月には国内盤、US盤、EU盤のトータル出荷枚数が10万枚を超えるとされ、SoundScan Japanの2021年の集計によるとアナログアルバムが年間売上1位を獲得した。

収録内容とタイアップ

本EPには、宇多田ヒカルが過去に手がけたエヴァ関連楽曲が収録されており、さまざまなアレンジやスタイルで楽しむことができる。これにより、幅広いリスナー層にアピールし、ファンとの絆をさらに深める作品となっている。

このように『One Last Kiss』は、宇多田ヒカルの音楽能力の結晶であり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとの強い結びつきを通じて、多くのファンに支持される形となった。

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