OpenCanvas

openCanvas (オープンキャンバス)

openCanvasは、株式会社PGNが開発したWindows専用のペイントソフトです。1万円を切る価格帯でありながら、本格的なイラスト制作に必要な機能を豊富に搭載しています。

概要

豊富な機能: フィルター、レイヤー、パース、テキストなど、細かな調整が可能なツールが揃っています。ペンタブレットの感知機能にも優れ、多様な表現を実現できます。
ブラシ機能の進化: openCanvas 4からはブラシ機能が強化され、より繊細な表現が可能になりました。以前のバージョンで使用されていたペン機能も「旧ペン機能」として引き続き利用できます。
わんぱくペイントの後継: 個人開発のグラフィックソフト「わんぱくペイント」の後継として、2000年7月に公開されました。初期バージョンはフリーウェアでしたが、ver 2からシェアウェアとなりました。
フルカラーイラスト制作: 漫画制作ソフトのComicWorksやコミラボがモノクロ原稿を前提としているのに対し、openCanvasはフルカラーイラストの制作に特化しています。
PSDファイル対応: openCanvas 3以降のPlus版では、Photoshopの標準画像フォーマットであるPSDファイルの読み込み・保存に対応し、異なるソフト間での連携が容易になりました。openCanvas 5以降は通常版に統合されています。

イラスト投稿コミュニティ「portalgraphics」（ポタグラ）

2000年7月20日に開設された「portalgraphics」（ポタグラ）は、当時としては画期的なイラスト投稿コミュニティでした。個人サイトが主流だった時代に、絵師たちの交流の場として重要な役割を果たしました。

コミュニティの発展: 当初はシェアウェア頒布を目的とした小規模なサイトでしたが、ユーザーのイラスト投稿が増加し、人気サイトとなりました。2003年12月には本格的なユーザーコミュニティ「PGN User Community」がオープンし、イラストコンテストやハウツー情報が充実しました。
イベントファイル機能: openCanvasには描画手順を保存できるイベントファイル機能があり、ポタグラに投稿することで他のユーザーと共有できました。動画共有サービスが普及する以前は、この機能が「神絵師」の描き方を学ぶ貴重な手段でした。
SNS化: 2009年8月にはSNSとしてリニューアルオープンし、評価、メッセージ、友人登録などの機能が追加されましたが、2016年7月27日にサービスを終了しました。

歴史

2000年7月20日: 無償ペイントツールとして公開
2001年6月29日: openCanvas 2リリース（有償化）
2003年8月6日: openCanvas 3リリース、Plus版が登場
2004年12月8日: openCanvas 4、openCanvas 4 Plusリリース
2006年9月26日: openCanvas 4.5、openCanvas 4.5 Plusリリース
2010年12月22日: openCanvas 5リリース
2012年6月8日: openCanvas 5.5リリース
2014年1月22日: openCanvas 5.5 Steam Editionリリース
2014年7月3日: openCanvas 6リリース
2017年9月21日: openCanvas 7 Steam Editionリリース
2018年5月17日: openCanvas 7 パッケージ版・ダウンロード版リリース

エディション

OEM: デリーター株式会社から「CGillust」として発売。機能差はないが、イベントファイルの拡張子が異なる。
Plus: バージョン3と4に存在。全ての機能が使える。
Steam: openCanvas 5.5からSteamストアで販売。機能差はない。
LITE: openCanvas 6 LITEは期間限定で無償配布されたエディション。一部機能が制限されている。

関連項目

CGillust - openCanvasのOEM版
コミラボ - 漫画制作に特化した姉妹製品
mdiapp - openCanvasの開発者が販売する漫画制作ソフト
FireAlpaca - 同じ開発元のフリーペイントツール
ComicWorks - openCanvasを基に開発された漫画制作ソフト
* XPPen - ペンタブレット製品にopenCanvasがバンドルされている

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