OpenEmbedded

OpenEmbedded（OE）は、組み込みシステム向けのLinuxディストリビューションを構築するための強力なソフトウェアフレームワークです。しかし、その汎用性から、組み込み機器以外の環境でも活用されています。

このプロジェクトは、Chris Larson、Michael Lauer、Holger Schurigによって開発され、当初はOpenZaurusプロジェクトのために、Familiar [[Linux]]やOpenSIMpadプロジェクトのコードベースを統合することから始まりました。OpenEmbeddedは、これらのプロジェクトの進化形として、現在では同じコードベースから、これらのいずれのディストリビューションもビルドできるようになっています。

プロジェクトの核となるのは、BitBakeレシピの集合です。これは、Gentoo Linuxのebuildシステムに類似した仕組みで、各パッケージのソースコードの取得先URL、依存関係、コンパイルオプション、およびインストールオプションが記述されています。BitBakeはこれらのレシピを解析し、必要な依存関係を解決し、ソースコードをクロスコンパイルし、パッケージとしてまとめることで、ターゲットデバイスにインストール可能な形式にします。

OpenEmbeddedの大きな特徴は、単に個々のパッケージをビルドするだけでなく、ルートファイルシステム全体やカーネルイメージを含む、完全なシステムイメージを生成できることです。これにより、開発者は、ターゲットデバイスに合わせてカスタマイズされたLinuxディストリビューションを、効率的に構築できます。また、フレームワークの初期段階として、ターゲットプラットフォーム向けのクロスコンパイラツールチェーンを自動的に構築します。

OpenEmbeddedの主な機能

クロスコンパイル: 異なるアーキテクチャのデバイス向けにソフトウェアをコンパイル可能。
パッケージ管理: BitBakeレシピによる柔軟なパッケージ管理。
依存関係解決: パッケージ間の依存関係を自動的に解決。
イメージ生成: ルートファイルシステムとカーネルを含む完全なシステムイメージの作成。
カスタマイズ: ターゲットデバイスに合わせた柔軟なカスタマイズが可能。

関連プロジェクトとリンク

Ångström distribution
Familiar [[Linux]]
Gumstix
KaeilOS
Openmoko
OpenZaurus
SlugOS
組み込みLinux

外部リンク

公式ウェブサイト（英語）
FOSDEM'05でのOpenEmbeddedについてのプレゼンテーション（英語）
FOSDEM'07でのOpenEmbeddedについてのプレゼンテーション（英語）
* ELC'08でのOpenEmbeddedプレゼンテーション（英語）

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