Oracle Solaris Cluster

Oracle Solaris Clusterは、Oracle社が開発・提供している高可用性クラスタリングソフトウェアです。以前はSun Clusterという名称で知られていましたが、Oracleによる買収に伴い名称が変更されました。このソフトウェアは、システム全体の可用性を高めることを目的としており、万が一の障害発生時でもサービスを継続できるように設計されています。

Oracle Solaris Clusterの大きな特徴の一つは、Solaris OSのカーネルモジュールとして動作する点です。これにより、OSと密接に連携し、高度な制御と安定した動作を実現しています。最新バージョンは3.3であり、Oracleが提供するUNIX系OSであるSolaris 10上で動作します。旧バージョンである3.2は、Solaris 9とSolaris 10に対応しています。

高可用性クラスタリングソフトウェアとして、Oracle Solaris Clusterと混同されやすいものに、Oracle Clusterwareがあります。しかし、Oracle ClusterwareはOracle RAC（Real Application Clusters）とともに利用されるクロスプラットフォームのクラスタソフトウェアであり、Oracle Solaris Clusterとは全く別の製品です。Oracle ClusterwareはOracle RAC環境を構成する際に必須となるソフトウェアであり、データベースの可用性を高める役割を担っています。

Oracle Solaris Clusterの主な機能としては、フェイルオーバー機能が挙げられます。この機能は、システムに障害が発生した場合に、自動的に別のサーバーに処理を切り替えることで、サービスの中断時間を最小限に抑えることができます。また、ロードバランシング機能も備えており、複数のサーバー間で処理を分散させることで、システム全体のパフォーマンスを向上させることができます。これらの機能は、企業システムの可用性を確保するために非常に重要です。

Solaris OS上で動作する高可用性クラスタリングソフトウェアとしては、Symantec社のVERITAS Cluster Server（現：Veritas InfoScale Availability）も競合製品として存在します。VERITAS Cluster Serverは、長年の実績と豊富な導入事例を持っており、多くの企業で採用されています。そのため、Solaris環境における高可用性クラスタリングソフトウェアの選択肢としては、VERITAS Cluster Serverの方がより多く利用されている傾向があります。しかし、Oracle Solaris Clusterも、Solaris OSとの親和性の高さから、特定の環境においては有力な選択肢となり得ます。

Oracle Solaris Clusterの導入を検討する際には、システムの要件や予算、既存のインフラストラクチャなどを総合的に考慮する必要があります。特に、Oracle Solaris環境における高可用性を実現するためには、両製品の特性を理解した上で、最適なソフトウェアを選択することが重要です。詳細については、Oracle Solaris Clusterの公式ページを確認してください。

関連リンク

Oracle Solaris Cluster (日本オラクル株式会社ホームページ内)

関連項目

密結合クラスター
* コンピュータ・クラスター

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