Out Of Blue

GOING UNDER GROUNDの14枚目のアルバム『Out Of Blue』は、2016年8月24日にColourful Records（ビクターエンタテインメント）から発売されました。前作から2年5ヶ月ぶり、ドラムスの河野丈洋脱退後初の3人体制で制作され、メジャーレーベルであるビクターへの復帰作となりました。

プロデュースは、これまでもGOING UNDER GROUNDの作品を手がけてきた橋口靖正との共同で行われました。アルバムの帯には「これはゴーイングの、2枚目の“ファーストアルバム”である」というキャッチコピーが記されており、本作がバンドにとって新たな出発点となることを示唆しています。

河野脱退後、バンドの存続についてメンバー間で話し合い、解散案も浮上する中で、バンドを続ける決断をしました。また、自分たちで出資していた個人事務所を離れ、再スタートを切ることになったことも、本作を「ゼロからのスタート」「第二のファースト的な作品」と捉える理由となっています。タイトルには「青春の終焉」という意味が込められています。

ボーカルの松本素生は、自身のDJ活動との音楽性の違いに葛藤がありましたが、本作の制作を通して「聴いているレコードと実際にやっている音楽があまり違わなくなってきた」と語っています。これは、バンドとしての音楽性がより成熟し、多様な音楽的要素を取り入れられるようになったことを意味しているのかもしれません。

アルバム発売後には、2016年9月19日から11月2日まで、全10公演のリリースツアー「GOING UNDER GROUND 『Out Of Blue』 Tour」が開催されました。また、シングル「the band」の制作からアルバム完成までを追ったドキュメンタリーフィルムDVD「the band〜記録と記憶〜」が、ツアー会場と特設サイトで販売されました。

音楽ライターの佐々木美夏は、本作について「かつてゴーイングの音楽を支えに思春期を乗り越えて、でもいつの間にか聴かなくなってしまった人」に「『まだやってたんだ？』って気づいて手に取ってくれたらいいなぁと。そういう人たちのためのアルバムでもあるから」と述べています。

収録曲は以下の通りです。

1. Teenage Last
2. 天使たち
3. Driffting Drive
4. Anti Hero
5. 45rpm
6. スパイス (Alternative Ver.)
7. out of blue
8. Soul Train
9. 天国の口、終わりの楽園
10. the band

リードトラックである「Teenage Last」は、松本が高校を中退した頃の経験をもとに制作された楽曲で、ミュージックビデオにはモデルの山本由貴が出演しています。この曲は、テレビ神奈川「MUTOMA」8月度のテーマ曲にも起用されました。

アルバムには、28thシングル「the band」のカップリング曲「Driffting Drive」、27thシングル「ならば青春の光」の収録曲をリアレンジした「スパイス (Alternative Ver.)」、シングル「もう夢は見ないことにした/Soul train」収録曲「Soul Train」などが収録されています。

『Out Of Blue』は、GOING UNDER GROUNDが新たなスタートを切る決意表明であり、彼らの音楽性の幅広さを示す作品と言えるでしょう。

参加ミュージシャン

橋口靖正 – キーボード、ギター、コーラス
冨田政彦 – ドラムス

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