PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜

『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』：永遠の少年の誕生秘話

2015年公開の『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』は、誰もが知るピーター・パン誕生の物語を鮮やかに描いた冒険ファンタジー映画です。ジェームズ・マシュー・バリーの戯曲『ピーター・パン』を大胆に再解釈し、ピーター・パンがネバーランドにたどり着き、永遠の少年となるまでの波乱に満ちた冒険を、息を呑むような映像美で描き出しています。

孤児院からの脱出とネバーランドへの誘い

舞台は第二次世界大戦下のロンドン。12歳で母と引き離され、孤児院で暮らすピーターは、夜な夜な消えていく仲間たちの謎を、親友のニブスと共に探ろうとしていました。ある夜、空飛ぶ海賊船が孤児院に襲いかかり、ピーターは海賊にさらわれてしまいます。孤児院の院長バーナバスの裏切りにより、ピーターは海賊船に連れ去られ、謎の島ネバーランドへとたどり着きます。

妖精の粉と黒ひげの陰謀

ネバーランドでは、海賊の頭領である冷酷な黒ひげが島を支配していました。黒ひげは、不老不死の力を得るため、妖精の粉を求めており、そのために世界中から孤児たちを集めて、妖精の粉が宿る石の採掘を強要していました。ピーターも採掘作業に駆り出されますが、横取りされた石を取り戻そうとしたことから、黒ひげの怒りを買い、処刑されそうになります。しかし、ピーターは不思議な力で空を飛び、死を免れます。

フック船長との出会い、そして脱出劇

気絶したピーターは黒ひげの部屋に運び込まれます。黒ひげはピーターを「自分自身を滅ぼす運命にある少年」と見抜き、牢獄に閉じ込めようとします。そこで、採石場で出会った若き日のフック船長が現れ、ピーターは島からの脱出を持ちかけられます。メアリーを探すことを条件に、ピーターはフックと協力して脱出を試みます。しかし、脱出劇は様々な困難に遭遇し、最終的に森に墜落してしまいます。

原住民との出会い、そして真実

森に迷い込んだ3人は、原住民の集落にたどり着きます。ピーターは、母メアリーから託されたネックレスを身につけており、そのネックレスが妖精の王国への道標であることを原住民から知らされます。ネックレスを通して、ピーターはメアリーが妖精の王子と恋に落ち、黒ひげから守るため、彼を人間の世界に隠していたことを知ります。

黒ひげとの最終決戦、そしてピーター・パンの誕生

黒ひげは集落を襲撃し、ピーターたちは命からがら妖精の王国へと逃げ込みます。黒ひげとの最終決戦で、ピーターは妖精たちの力を借り、黒ひげを倒します。そして、母メアリーの魂と対話し、「ピーター・パン」という名を授かります。

新たな旅立ち

ピーターはフック、タイガー・リリーと共にロンドンに戻り、仲間の孤児たちを救出し、ネバーランドへ向かいます。友情を確かめ合ったピーターとフックは、新たな冒険へと旅立っていくのです。

制作秘話：キャスティング問題と興行成績

本作の制作過程では、タイガー・リリー役のキャスティングをめぐり、白人女優の起用が批判を浴びました。ネイティブ・アメリカンの女性を白人女優が演じることへの反発が大きく、制作会社は批判に苦慮しました。また、興行成績は期待を下回り、批評家からも酷評される結果となりました。しかし、映像表現や物語のスケール感は高く評価されており、ピーター・パンの物語を新たな視点で描いた作品として、現在でも話題となっています。

様々なバージョン

『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』は劇場公開版に加え、日本テレビでも放送されており、異なる編集や吹き替え版で楽しむことができます。

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