PB2Y (航空機)

PB2Y コロネード：アメリカ海軍の大型飛行艇

PB2Y コロネード（Coronado）は、コンソリデーテッド社が開発し、第二次世界大戦中にアメリカ海軍で使用された4発の大型飛行艇です。哨戒、爆撃任務を担うことを目的としていました。

開発と採用

原型機の初飛行は1937年12月17日に行われましたが、機体の修正や海軍の予算不足が重なり、制式採用は1939年となりました。PBY カタリナ飛行艇の後継機として期待されましたが、製造コストは3倍にも膨れ上がりました。

特徴と運用

重武装を誇る機体でしたが、エンジン出力不足と水上での操縦性の問題から、洋上哨戒任務での活躍は限定的でした。大戦後期には、その多くが輸送任務に転用されています。アメリカ軍機としては初めて、補助ロケットを使用した離水を実用化した機体としても知られています。

イギリス空軍にも10機がレンドリースされましたが、洋上哨戒には使用されず、カナダとスコットランド間の輸送任務に用いられました。

爆弾倉は主翼下面のエンジンナセル間に左右4箇所ずつ設けられ、1,000ポンドまでの各種爆弾、爆雷、魚雷を搭載可能でした。さらに、第1および第4エンジンナセルの主翼下にはハードポイントが設けられ、1,000ポンド爆弾を4発まで懸架できました。

スペック (PB2Y-3)

全長: 24.15 m
全幅: 35.05 m
全高: 8.38 m
主翼面積: 165.36 m2
全備重量: 30,845 kg
自重: 18,612 kg
乗員: 10 名
発動機: P&W R-1830-88 ツイン・ワスプ 空冷星型14気筒 1,200 hp × 4
最高速度: 360 km/h (高度5,940 m)
巡航速度: 225 km/h
航続距離: 3,717 km
実用上昇限度: 6,370 m
上昇率: 168 m/min
武装:
12.7 mm機関銃 × 8
1,000ポンド (450 kg) 爆弾 × 8 (爆弾倉)
1,000ポンド (450 kg) 爆弾 × 4 (主翼下)

総生産機数は217機でした。

関連項目

偵察機・哨戒機の一覧
* PBY カタリナ

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