PCエンジンコアグラフィックス

PCエンジンCoreGrafx：進化した8bitゲーム機の系譜

1989年12月8日、NECホームエレクトロニクスは家庭用ゲーム機市場に新たな風を吹き込む一台、PCエンジンCoreGrafxを発表しました。価格は24,800円。初代PCエンジンをベースに改良を加えたマイナーチェンジモデルであり、PCエンジンシャトル、PCエンジンスーパーグラフィックスと共に、PCエンジンシリーズの新たなラインナップを形成しました。

当時、CD-ROM²の普及が加速するPCエンジン市場において、CoreGrafxはCD-ROM²への直結を可能にした唯一の機種として、PCエンジンDUOが登場するまでの主力機種としての地位を確立しました。フランスでは、国内版にはないRGB出力に対応したモデルが発売され、日本国外でも高い人気を博しました。初代PCエンジンも一部輸入されていましたが、CoreGrafxの正式な販売開始によって、CoreGrafxがPCエンジンを代表する機種として認知されるようになりました。

ハードウェア：デザインと機能性の向上

CoreGrafxは初代PCエンジンからのデザイン変更が施されました。本体カラーは暗灰色へと変更され、出力端子もRF端子からAV端子へと進化。これにより、より鮮明な映像出力と、接続機器の選択肢の幅が広がりました。さらに、付属のコントローラーには連射機能が追加され、ゲームプレイの利便性が大幅に向上しました。本体とコントローラーは濃いグレーを基調に、ロゴや文字には青色のアクセントが用いられ、洗練されたデザインに仕上がっています。

初代機と同様に拡張バスを搭載しており、CD-ROM²をはじめとする様々な周辺機器との接続が可能です。この連射機能は、後のPCエンジン用コントローラーの標準機能として採用されることとなりました。

PCエンジンCoreGrafx II：更なる進化

1991年6月21日には、SUPER CD-ROM²のカラーリングに合わせたマイナーチェンジ版、PCエンジンCoreGrafx IIが発売されました。価格は19,800円。本体とコントローラーの色は薄いグレーに変更され、アクセントカラーはオレンジ色となりました。このCoreGrafx IIは、PC-FXの発売まで公式カタログに掲載され続け、初代CoreGrafxと合わせ、PCエンジンシリーズの中で最も長い期間販売された機種となりました。

周辺機器：バックアップ機能の追加

CoreGrafxと同時発売された「バックアップブースターII」は、RPGなどのゲームのセーブデータ保存を可能にする周辺機器です。2KBの記憶容量を持ち、対応ゲームで使用することができました。この他にも、初代PCエンジンの周辺機器との互換性を維持していました。

まとめ：PCエンジン市場を牽引した名機

PCエンジンCoreGrafxは、初代PCエンジンの優れた点を継承しつつ、デザイン、機能性、周辺機器との互換性において改良を加えた、PCエンジンシリーズを代表する名機です。CD-ROM²対応による市場への貢献、そしてCoreGrafx IIによる長期にわたる販売期間は、PCエンジン史において重要な位置を占めています。その洗練されたデザインと高い互換性、そして連射機能付きコントローラーは、多くのユーザーに快適なゲーム体験を提供し続けました。

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