PDFゾーランド

PDFゾーランド

PDFゾーランド（英語: PDF Zoland）、別名国民防衛隊 - ゾーランド（英語: People's Defence Force - Zoland）は、ミャンマー西部のチン州を拠点とする武装組織です。主にゾミ族で構成され、ゾミ連邦同盟（Zomi Federal Union: ZFU）の軍事部門として位置づけられています。

結成の背景と初期活動

2021年2月に発生したミャンマーでのクーデターに対し、チン州各地では軍事政権への抵抗運動が活発化し、多数のレジスタンス組織が生まれました。ゾミ連邦同盟（ZFU）もそうした流れの中で、2021年3月30日に設立されました。その後、PDFゾーランドは当時26歳だったギデオン氏主導の下、トンザン郡区とティディム郡区を含む「ゾーランド」と呼ばれる地域の「解放」を掲げ、活動を開始しました。

組織結成当初、PDFゾーランドはカチン独立軍（KIA）やゾミ革命軍（ZRA）から軍事訓練を受けました。しかし、特にZRAは後に方針を大きく転換し、ミャンマー軍事政権と連携するようになり、PDFゾーランドを含むチン州内の反政府勢力に対する攻撃を行うようになりました。この対立は激化し、2021年12月にはPDFゾーランドの幹部が暗殺される事件が発生しました。PDFゾーランド側はこの暗殺をZRAによるものとして強く非難しました。さらに2022年10月には、ZRAがPDFゾーランドの武器や軍事装備を奪うという事案も発生しています。

チン族抵抗勢力間の関係

チン族の抵抗勢力は、統一的な政治・軍事構造の構築を目指す中で複雑な関係を築いています。2021年4月には、チン族全体の合議体である暫定チン民族諮問評議会（ICNCC）が組織され、将来のチン民族国家の憲法起草が進められました。しかし、憲法制定の議論は難航し、2024年4月には主要勢力の一つであるチン民族戦線（CNF）がICNCCを脱退し、CNFに有利な条項を含む独自の「チンランド憲法」を起草しました。これは一部のチン民族防衛隊（CDF）からの反発を招きました。

こうした状況下で、2024年12月にはCNF主導のチンランド評議会（CC）の第1回会議が開催されましたが、PDFゾーランドはチン民族防衛隊（CNDF）、CDFミンダッ、CDFカンペレッと共にこの会議を欠席しました。そして、その直後の2024年12月30日、ICNCCに留まったCNDF、PDFゾーランド、CDFミンダッ、マーラランド防衛隊の4組織は連携強化のために「チン兄弟同盟」を結成しました。

一方で、CC傘下の勢力との間には依然として緊張が存在します。2025年1月、CC傘下のティディム郡議会/PDA-ティディムがティディムに残るミャンマー軍部隊への攻撃計画を明らかにした際には、PDFゾーランドはこれに強く反発する声明を発表しています。

戦力と活動事例

PDFゾーランドは現在、5個大隊から成り、総勢約400名の兵力を有しています。

軍事活動の一例として、2024年11月21日には、チン州で2番目に高い山であるケネディピークに位置するミャンマー軍の拠点を占領する成果を上げています。

また、2024年5月には、米国南部出身のアザド氏と2名の英国人義勇兵が組織に参加していることをソーシャルメディアで公開しました。アザド氏はシリア北部でクルド人民防衛隊（YPG）の一員として4年間活動した経験を持ち、PDFゾーランドでは偵察やその他の任務のほか、狙撃兵や歩兵の訓練指導にあたっていると報じられています。

資金調達

PDFゾーランドが所属するゾミ連邦同盟（ZFU）は、戦費を賄うために多様な手段を講じています。その一環として、インターネットを通じて海外に住むゾミ族コミュニティに対し宝くじを販売しており、そこから得られた資金を用いてインドから武器を調達しているとされています。

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出典:

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外部リンク:

PDFゾーランド (zolandpdf) - Facebook
ゾミ連邦同盟 (ZomiFederalUnion) - Facebook
ゾミ連邦同盟 - YouTube

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