PEFC森林認証プログラム

PEFC森林認証プログラムについて

PEFC（Programme for the Endorsement of Forest Certification）森林認証プログラムは、国際的な森林認証制度の一つとして知られており、持続可能な森林管理を促進するための枠組みです。この制度では、各地域で独自に策定された森林認証制度を、政府間のプロセス基準に基づいて相互承認し、運用しています。

歴史

PEFCは、1999年にフランスのパリで設立され、国際的なNGOとしてスイスのジュネーヴに本部を置いています。当初は「汎ヨーロッパ森林認証」という名称でしたが、対象地域がヨーロッパ外に拡大するにつれ、2003年に現在の名称に改称されました。設立以来、小規模な林業にも対応した国際的な認証制度として認知され、2017年までに認証された森林の面積は約3億ヘクタールに達しています。これは、同時期のFSC（森林管理協議会）による2億ヘクタールを上回る数字です。

認証方式

PEFCの認証には、森林管理（Forest Management；FM）認証と、生産物（Chain of Custody；CoC）認証が含まれています。認証プロセスは、ISO国際標準や相互承認を採用しており、国際認定フォーラムに加盟する第三者機関が認定機関として機能します。一方、FSC制度では唯一の認証機関であるASI社を選定しています。

日本におけるPEFC

日本では、緑の循環認証会議（SGEC）が管理するSGEC認証が、2016年にPEFCと相互承認されました。これにより、日本国内でもSGEC/PEFC認証森林が取得され、2017年時点でその総面積は約166万ヘクタールに達しています。

認証基準

PEFCでは、「政府間プロセス基準」と呼ばれる持続可能な森林管理のための国際基準を基にしています。各国は、自国政府が選択した基準を用いて森林管理の規格を策定します。日本はモントリオール・プロセスに参加しており、各地域の特性に応じた基準の採用が求められています。これに加えて、HELSINKIプロセス、アフリカ木材機関、国際熱帯木材機関（ITTO）など、さまざまな国際的な取り組みとも連携しています。

また、PEFCに登録された事業体は、国際労働機関（ILO）の各種条約を遵守することが求められています。これには、強制労働や児童労働に関する規定が含まれ、社会的な責任も重視されています。

課題と展望

PEFCはその規模に関してはFSCを上回るものの、環境ラベルの一貫性や利害関係者の公平性についてはいくつかの国際NGOからの指摘を受けています。また、FSC制度も同様に、利害関係者にまつわる問題が指摘されており、今後の改善が期待されるところです。環境に配慮した森林の管理は、持続可能な社会を築く上で不可欠であり、PEFCのような制度がその基盤を支えています。

以上のように、PEFC森林認証プログラムは、国際的な視点から持続可能な森林管理を促進する重要な役割を果たしていることが分かります。これからも地域特有の環境に配慮した運用が求められるでしょう。

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