PIKA★★NCHI DOUBLE

嵐のシングル「PIKA★★NCHI DOUBLE」：映画主題歌としてリリースされた、グループの軌跡を示す作品

2004年2月18日、国民的アイドルグループ・嵐の12枚目のシングル「PIKA★★NCHI DOUBLE」がジェイ・ストームから発売されました。本作は、嵐自身が出演する映画『ピカ★★ンチ LIFE IS HARDだからHAPPY』の主題歌として制作され、前作シングル「PIKA☆NCHI」の世界観を受け継ぎつつ、新たな展開を見せる重要な作品となっています。

前作からの進化を象徴するように、「PIKA☆NCHI」の星印が一つから二つに増え、デザインも白抜きから黒に変更されています（ただし、一部表記揺れが見られます）。楽曲面においても大きな変化があり、嵐のシングル曲として初めて、メンバー全員がソロパートを担当するという試みが行われました。特に、松本潤、二宮和也、相葉雅紀の3人は、シングル表題曲で初めてソロパートを歌いました。また、櫻井翔は前作に続き、本作でもラップ詞を担当し、楽曲に独特のスパイスを加えています。

ミュージックビデオ（PV）は、ヘリコプターの離発着場であるヘリポートを舞台に撮影され、前作に引き続き佐藤徹也氏が監督を務めました。通常版には、メンバーによるシークレットトークが収録されているのも特徴です。

オリコンチャートでは、3作ぶりに週間1位を獲得。この成功をきっかけに、嵐のシングルはその後全て初登場1位という快挙を達成することになります。しかしながら、初動売上は10万枚を下回り、累計売上も15万枚に届かず、2022年5月現在、嵐のシングルの中で最も低い売上枚数を記録しています。このため、しばしば嵐のシングルの中で最も売れなかった曲として言及されることも少なくありません。

楽曲と収録内容

「PIKA★★NCHI DOUBLE」は、アップテンポで力強いサウンドが特徴的な楽曲です。映画の世界観を反映した歌詞と、メンバーそれぞれの個性が光るソロパート、そして櫻井翔のラップが絶妙に融合した、聴き応えのある一曲となっています。

シングルには、表題曲「PIKA★★NCHI DOUBLE」の他に、「五里霧中」という楽曲も収録されています。この曲は、「PIKA★★NCHI DOUBLE」とは異なる雰囲気を持つ、聴き心地の良いミディアムテンポの楽曲です。「道 DOUBLE Ver.」という挿入歌も収録されており、映画との深い繋がりを感じさせます。初回盤には、両曲のオリジナルカラオケバージョンも収録されています。通常盤には、シークレットトークが収録されています。

収録アルバムと映像作品

「PIKA★★NCHI DOUBLE」は、数々の嵐のアルバムに収録されており、その人気と重要性を示しています。主な収録アルバムには、『いざッ、Now』、『5×5 THE BEST SELECTION OF 2002←2004』、『5×10 All the BEST! 1999-2009』、『ウラ嵐マニア』、『5×20 All the BEST!! 1999-2019』、『ウラ嵐BEST 1999-2007』などがあります。また、「PIKA★★NCHI DOUBLE」と「五里霧中」は、嵐のコンサートツアー映像作品にも多数収録されています。これらの映像作品は、楽曲のライブパフォーマンスや、当時の嵐の姿を見ることができる貴重な記録となっています。

まとめ

「PIKA★★NCHI DOUBLE」は、商業的な成功という面では、嵐の他のシングルと比べるとやや控えめな結果に終わりましたが、楽曲そのもののクオリティの高さと、映画との密接な繋がり、そして嵐のキャリアにおける重要な転換期を象徴する作品であることは間違いありません。メンバー全員がソロパートを担当した初のシングル表題曲として、嵐の歴史に深く刻まれた一曲と言えるでしょう。

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