POP LIFE (RHYMESTERのアルバム)

RHYMESTER 『POP LIFE』

日本のヒップホップシーンを牽引するベテランユニット、RHYMESTERが2011年3月2日に発表した通算9枚目にあたるオリジナル・アルバムが『POP LIFE』である。

前作『マニフェスト』からおよそ1年1ヶ月という、彼らのキャリアにおいては最短となる間隔でリリースされた本作は、当時の創作意欲の高まりを伺わせる作品となった。

アルバム全体のテーマとして掲げられたのは、「生活レベルの喜怒哀楽」。日々の暮らしの中で誰もが経験する喜び、怒り、哀しみ、そして楽しみといった、身近な感情や出来事に焦点を当てた楽曲群で構成されている。このテーマ設定は、長年第一線で活動してきたRHYMESTERだからこそ描ける、等身大でありながらも深みのあるリリック世界を構築する土台となっている。

本作には、RHYMESTER自身のメンバーであるDJ JINや、過去にも彼らの作品に貢献してきたDJ Watarai、AKIRA (googolplex muzic)に加え、DJ Hasebe、SKY BEATZ、BACHLOGICといった、それぞれの個性を持つ外部プロデューサー陣が参加。多様なサウンドアプローチが、アルバムに収録されたバラエティ豊かな楽曲群を彩っている。収録曲は以下の通り。

1. After The Last -Intro (Produced by DJ Watarai)
2. そしてまた歌い出す (Produced by DJ Watarai)
3. Just Do It! (Produced by DJ Hasebe)
4. ランナーズ・ハイ (Produced by AKIRA for googolplex muzic)
5. ほとんどビョーキ (Produced by DJ JIN)
6. Hands (Produced by AKIRA for googolplex muzic)
7. ザ・ネイバーズ (Produced by AKIRA for googolplex muzic)
8. POP LIFE (Produced by DJ Watarai)
9. Born To Lose (Produced by SKY BEATZ)
10. Walk This Way (Produced by BACHLOGIC)
11. 余計なお世話だバカヤロウ (Produced by DJ Watarai)

特に収録曲のうち「Hands」は、本作のプロモーションを担う楽曲の一つとして位置づけられ、プロモーション・ビデオが制作された。このビデオは、本作の初回プレス盤の特典として付属するDVDに収録された。DVDにはビデオ本編に加え、メンバーによる副音声解説も収められており、映像と音声を合わせて楽しむことで楽曲への理解をさらに深めることができる仕様となっていた。また、初回盤は三方背ボックスという特別仕様のパッケージで提供され、ファンにとってはより魅力的なアイテムとなった。

『POP LIFE』は、RHYMESTERがそのキャリアを重ねる中で見出した、日常という普遍的なテーマをヒップホップというフィルターを通して表現したアルバムであり、リスナーそれぞれが自身の生活と照らし合わせながら聴くことのできる、親しみやすくも奥深い一作と言えるだろう。

もう一度検索