PQエンジェルス

PQエンジェルス：謎に包まれた未完の物語

『美少女戦士セーラームーン』で知られる武内直子氏による短編漫画『PQエンジェルス』。1997年、講談社の『なかよし』誌上でわずか4回連載された後、突如として幕を閉じました。未発表作品であるため、その全貌は謎に包まれていますが、魅力的なキャラクターと独特の世界観は多くのファンを惹きつけ続けています。

物語の始まり：奇妙な出会い

物語は、空港で奇妙なゴキブリにキスされた王子と王河兄弟から始まります。閃光と共に現れた謎の少女、そして突如隣家に建った和風御殿。そこに住むことになったのは、ぴいなっつ（P）と、きゅうり（Q）という、風変わりな少女たちでした。彼女たちは、王子兄弟の通う黄金虫学院に転入してきます。

主人公：ぴいなっつ（P）と、きゅうり（Q）

PとQは、フイレン国出身のフイレン人。ゴキブリの姿をした彼女たちは、人間とキスをすると少女の姿になるという不思議な能力を持っています。日本ではそれぞれ、落花生ぴい子、苦瓜きゅう子と名乗り、普通の高校生として生活を送ります。しかし、彼女たちは「鯱鉾ONIWABAN」という親衛隊の隊員であり、行方不明になった女王の捜索という重大な任務を帯びていました。

Pは明るくやや軽率、Qはしっかり者で知的。正反対の性格ながらも、互いに協力し、学園生活と任務を両立させようと奮闘します。

謎めいた事件とキャラクターたち

PとQは、学園生活の中でくのいちバンクの襲撃を受けるなど、様々な事件に巻き込まれます。彼女たちの行動を怪しむクラスメイトの羽毛増王子、オカルト好きなセシル、そして古文教師の桜田秋菜。個性豊かなキャラクターたちが、物語に彩りを添えています。

行方不明の女王、愛嬌餅餡子。彼女が持つ「麒麟玉」と呼ばれる宝玉と、くのいちバンクの関わり。そして、PとQに指令を出す元帥、白酒。物語は、未解明の謎と伏線で満ち溢れています。

蜚蠊三原則とフイレン人の生活

PとQは、「蜚蠊三原則」という独自の規律に従って生活しています。

1. 人間に危害を加えてはならない
2. 自己を守り仲間を守ること
3. 人間を愛してはならない

この三原則は、彼女たちの行動を規定する重要な要素であり、物語全体に影を落とす存在でもあります。

未完の物語：残された謎

『PQエンジェルス』は、連載途中で打ち切られたため、物語は未完のまま終わっています。女王の行方、くのいちバンクの目的、PとQの運命…。多くの謎が解明されないまま、読者の想像力を掻き立てます。この未完の物語が、多くのファンに惜しまれ、そしていつまでも語り継がれる理由でしょう。

登場人物相関図

ぴいなっつ（P）/落花生ぴい子:主人公。フイレン国出身。明るく軽率な性格。
きゅうり（Q）/苦瓜きゅう子:Pのパートナー。知的でしっかり者。
羽毛増王子:Pのクラスメイト。優しい性格で、PとQを宇宙人ではないかと疑う。
羽毛増王河:王子の兄。
鳥兜星詩留（セシル）:Pのクラスメイト。オカルト好きな少女。
桜田秋菜:Pのクラス担任。古文教師。
愛嬌餅餡子（女王）:フイレン国の女王。行方不明。
白酒（元帥）:鯱鉾ONIWABANの上司。
バッキーマウス:PとQのペット。
除虫菊くのいち:くのいちバンクのリーダー。

未発表作品であるため、情報が限られていますが、その謎めいた魅力は多くのファンを魅了し続けています。もし、この物語が完結していたら、どのような展開になっていたのか…。想像するだけで、わくわくが止まりません。

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