PRIDE.32

PRIDE.32 "THE REAL DEAL"

PRIDE.32 "THE REAL DEAL"は、日本の総合格闘技団体であるPRIDEが初めて海外で開催した大会であり、2006年10月21日にアメリカ・ネバダ州のトーマス＆マック・センターにて行われました。このイベントは、アメリカにおける総合格闘技の認知度を高める重要な一歩となりました。

大会のハイライト

本大会では、ロビー・ローラー、トラビス・ガルブレイス、ショーン・オヘアといった選手がPRIDEに初参戦しました。また、セミファイナルではPRIDE GRANDPRIX 2005の王者であるマウリシオ・ショーグンが、ケビン・ランデルマンとの戦いで膝十字固めによる一本勝ちを収めました。その後のメインイベントでは、PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードルがマーク・コールマンとノンタイトル戦で激突し、腕ひしぎ十字固めで勝利を収めました。さらに、WWEのシェイン・マクマホンが会場に姿を見せ、観客の注目を集めました。

ルールの変更

今回の大会は、ネバダ州アスレチック・コミッションの管理のもとで開催されたため、従来のPRIDEルールとは異なり、統一された総合格闘技ルールが適用されました。試合時間は5分3ラウンドに設定し、選手の体重差に関わらず、グラウンド状態の相手への頭部攻撃が全て禁止となりました。このため、サッカーボールキックや膝蹴り、踏みつけなどは行えません。従来通り頭部への肘打ちは禁止されています。

このルール変更は、翌大会であるPRIDE.33でも継続されることとなります。

試合結果

大会で行われた試合の結果は以下の通りです。

1. ウェルター級ワンマッチ 5分3R
○ロビー・ローラー vs. ジョーイ・ヴィラセニョール ×
1R 0:22 TKO（レフェリーストップ：左跳び膝蹴り）

2. ミドル級ワンマッチ 5分3R
○中村和裕 vs. トラビス・ガルブレイス ×
2R 1:16 TKO（レフェリーストップ：ボディへの膝蹴り→パウンド）

3. 88kg契約ワンマッチ 5分3R
○フィル・バローニ vs. 西島洋介 ×
1R 3:20 TKO（レフェリーストップ：チキンウィングアームロック）

4. ミドル級ワンマッチ 5分3R
○ダン・ヘンダーソン vs. ビクトー・ベウフォート ×
3R終了 判定3-0（30-27、30-27、30-26）

5. ヘビー級ワンマッチ 5分3R
○バタービーン vs. ショーン・オヘア ×
1R 0:29 TKO（レフェリーストップ：スタンドパンチ連打）

6. ヘビー級ワンマッチ 5分3R
○ジョシュ・バーネット vs. パウエル・ナツラ ×
2R 3:04 アンクルホールド

7. ミドル級ワンマッチ 5分3R
○マウリシオ・ショーグン vs. ケビン・ランデルマン ×
1R 2:35 膝十字固め

8. ヘビー級ワンマッチ 5分3R
○エメリヤーエンコ・ヒョードル vs. マーク・コールマン ×
2R 1:15 腕ひしぎ十字固め

薬物検査の結果

大会終了後に実施された薬物検査では、ビクトー・ベウフォートとパウエル・ナツラの2名が陽性反応を示し、問題が指摘されました。

結論

PRIDE.32はただの大会にとどまらず、海外での総合格闘技の進展を印象づける重要なイベントとして記録されました。ルールの変更が施された中で、多くの新たなドラマが生まれ、選手たちの新たな挑戦が評価されることとなりました。

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