PSY

PSYの軌跡と音楽キャリア

PSY（サイ）は、1977年12月31日生まれの韓国を代表するラッパー、作詞家、音楽プロデューサーです。本名はパク・チェサンであり、彼のユニークなスタイルは世界中のファンを魅了しています。彼の誕生地はソウル特別市江南区であり、バックグラウンドには半導体検査機器製造会社DIの創業者である祖父、そしてその会社の大株主である父がいます。これにより彼は、ビジネスの感覚を身につけて育ったとも言えるでしょう。

彼は1996年にアメリカのボストン大学に入学し経営学を専攻しますが、その後バークリー音楽大学に転校し音楽を学んだと言われています。2001年にはデビューアルバムをリリースするも、同年には大麻問題で警察に検挙されるというスキャンダルに見舞われ、活動を一時休止せざるを得なくなりました。しかし、2002年のワールドカップにおける生放送インタビューをきっかけに再びメディア露出が増え、9月にリリースしたシングル「チャンピオン」がヒットを記録し、活動を再開しました。

その後、彼は2003年から2005年にかけて徴兵期間を過ごしますが、これも特例措置を受けたものでした。2007年には韓国観光広報大使に任命され、さらなる復帰を果たしますが、同年には兵役問題が再燃し、再入隊を余儀なくされました。私生活では、2006年に結婚し、2007年には双子の娘が誕生しました。

PSYはデビュー以来、自ら作詞・作曲を手掛けていましたが、2006年頃からは他の作曲家と共作することが増えました。特にユ・ゴニョンとのコラボレーションにより、彼は「芸能人」（2006年）や「Right Now」（2010年）などのヒット曲を生み出していきます。

2012年にリリースされた「江南スタイル」は、世界中の音楽シーンでの旋風を巻き起こしました。この曲は、YouTubeでの視聴回数が40億回を超えるなど、その影響力は計り知れません。アメリカのビルボードチャートで最高2位、14の国で1位を獲得するなど、PSYは一躍韓国を代表するアーティストとなりました。そして、2012年には大韓民国大衆文化芸術賞で文化勲章を受章しました。彼自身はこの成功を「事故のようなもの」と表現し、再度このような事が起こることは難しいと語っています。

続けてリリースした「ジェントルマン」（2013年）も注目を集め、YouTube上での再生回数は瞬く間に伸びていきました。特に24時間以内に3840万回の再生回数を記録したことがギネスに登録されるなど、彼の人気は続きました。

しかし、2013年のコッパ・イタリア決勝戦でのパフォーマンスでは観客のブーイングを受けるなど、舞台裏には波乱も経験しています。これは過去のサッカー八百長問題からくる韓国へのネガティブなイメージが影響しているとも言われています。

2016年にはダイスの神とのコラボレーションで「ダディPSY」が登場し、新しいキャラクターを生み出しました。さらに2018年5月には、所属事務所であるYGエンターテインメントとの契約を終了し、2019年には自身のプロダクション「P NATION」を設立しました。

YouTubeでは、PSYに関連する動画の再生回数が圧倒的で、2021年4月から2022年4月の間に8億3100万回再生されました。この中で最も多く再生された曲はやはり「江南スタイル」で、4億7700万回の再生を記録しました。彼の音楽は国内外で支持され続けており、特にベトナムや韓国からの再生数が著しいです。

PSYは、音楽業界だけでなく、エンターテインメント全般に対する影響力を持っています。彼のユニークなスタイルとキャラクターは、アーティストとしての枠を超え、文化的なアイコンに成長しています。今後も彼の活動から目が離せません。

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