PaPeRo

PaPeRo：人と自然なコミュニケーションを目指すコミュニケーションロボット

PaPeRoは、[日本電気]が研究開発を進めるパーソナルロボットです。産業用ロボットとは異なり、高度なコミュニケーション能力の実現に焦点が当てられています。音声認識や音声合成、画像認識などの技術を活用し、人とロボットが自然で円滑なやり取りを行うことを目指した、革新的なロボットと言えるでしょう。

PaPeRoの多彩な機能

PaPeRoは、様々な機能を備えています。その中でも特に重要な機能をいくつかご紹介します。

1. 画像認識技術

PaPeRoの頭部には2つのCCDカメラが搭載されており、これらを用いて画像認識を行います。人の顔の識別はもちろん、紙に書かれた文字やジェスチャー、さらには障害物の検知まで可能です。この高度な画像認識技術は、PaPeRoと人間のインタラクションをより豊かにします。

2. 音声認識技術

PaPeRoは、音声認識技術も高度に搭載しています。頭部と胴部に配置されたマイクにより音声を感知し、内部の音声認識辞書と照合することで、音声を言葉として理解します。エコーキャンセラやノイズキャンセラ技術も搭載されているため、雑音の多い環境でも安定した音声認識を実現しています。また、音源の方向を検知し、その方向へ向きを変えることも可能です。

3. 知能化技術

PaPeRoの動作や反応には、心理学に基づいた行動モデルが取り入れられています。これは、PaPeRoに個性を与え、より人間らしい自然なふるまいを可能にするものです。例えば、愛知万博に出展されたチャイルドケアロボットPaPeRoでは、ロボットの色によって性格が異なる設定がされていました。

4. 多様なセンサー技術

PaPeRoには、様々なセンサーが搭載されています。マイクやカメラに加え、タッチセンサー、超音波センサー、赤外線センサー、そして頭部と足部のスイッチも備えています。これらのセンサーを通して、PaPeRoは人からの触れ合いを認識したり、障害物や段差を検知したりすることができます。

5. ソフトウェアプラットフォーム技術

PaPeRoの動作や機能は、専門的なプログラミング知識がなくても制御できます。NECは、子供向けプログラミング言語Scratchを応用したGUI開発ツール「パペロッチ」を提供しています。このツールを使えば、プログラミングの経験がない人でも、PaPeRoの動作を簡単にカスタマイズすることが可能です。かつては、NEC関西研究所を拠点に子供向けワークショップなども開催され、教育分野への貢献も果たしていました。

PaPeRoの進化：様々なモデル

PaPeRoは、長年にわたる研究開発の中で、様々なモデルが発表されてきました。それぞれに特徴があり、技術の進歩が反映されています。

R100 (1999年): NECの初代ロボット。
PaPeRo (2001年): 最初のPaPeRoモデル。
PaPeRo2003 (2003年): お笑い芸人・ぜんじろうとのコンビ「ぜんじろう＆パペじろう」として活動。
PaPeRo2005 (2005年): 愛知万博に出展されたチャイルドケアロボット。
PaPeRo mini (2007年): 小型化されたモデル。
PaPeRo R500 (2009年): 自律歩行可能な大型モデル。ベビーシッターロボット、ソムリエロボットとしてギネス認定を取得。
* PaPeRo petit (2013年): 一般家庭向けに開発された小型モデル。

PaPeRoの未来

PaPeRoは、単なるロボットを超えた存在です。人とロボットの共存、そしてより良いコミュニケーションの実現に向けて、NECの研究開発は今後も継続されるでしょう。PaPeRoの技術は、社会全体に新たな価値をもたらす可能性を秘めています。

もう一度検索