Painless PAIN

moveの18枚目のシングルとして2003年にリリースされた「Painless PAIN」は、彼らの音楽性を大きく転換させた重要な作品です。この楽曲は、6thアルバム「BOULDER」に至るまでの一連のロックテイストを前面に押し出した楽曲群の先駆けであり、moveのイメージを刷新する試みとして注目されました。

「Painless PAIN」は、作詞をmotsu、作曲・編曲をt-kimuraが担当。デジタルロックサウンドを基調としながらも、ギターサウンドを前面に出したアグレッシブな楽曲構成が特徴です。motsuのラップも、より攻撃的でメッセージ性の強いものへと変化しています。

しかし、CDの音量が小さく、楽曲が聞き取りづらいという問題点が指摘され、当時のファンからは不満の声が上がりました。この問題は、後にリリースされたベストアルバム「10th Anniversary MEGA BEST」においてリマスタリングが施され、大幅な音質改善が図られたことで解消されました。

CDには、「Painless PAIN」のオリジナルバージョンの他、リミックスバージョンである「Soundless Painless PAIN Renaissance Symphony with GARUDA Mix」、そしてインストゥルメンタルバージョンが収録されています。DVDには、「Painless PAIN」のミュージックビデオに加え、メイキング映像、motsuによるラップ講座「motsu about RAP Vol.Ⅲ」、yuriとmotsuそれぞれのセルフTV企画が収録されており、盛りだくさんの内容となっています。

「Painless PAIN」は、moveの音楽性の新たな方向性を示すとともに、CDの音量問題という課題も残した作品ですが、リマスタリングによってその音楽的魅力が再評価され、現在でも多くのファンに愛されています。2003年の音楽シーンにおいて、moveが新たな境地を開拓したことを示す重要な一曲と言えるでしょう。

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