Papyrus (電子辞書)

シャープ電子辞書「Papyrus」

Papyrus（パピルス）は、かつてシャープが製造・販売していた電子辞書のブランド名です。2005年に、それまでの「e-dictionary」から名称変更されました。カシオ計算機の「エクスワード」シリーズと並び、電子辞書市場で高い人気を誇っていました。

特徴

Papyrusは、他社製品とは異なる独自の路線を歩んでいました。特に、以下の点が特徴的です。

カラー液晶とワンセグチューナー: 電子辞書としては珍しく、カラー液晶やワンセグチューナーを搭載したモデルを発売していました。これにより、動画視聴やテレビ番組の閲覧が可能となり、電子辞書の可能性を広げました。しかし、2008年以降はカラー液晶モデルはBrainブランドに移行しました。
デザイン: キーボードのフォントに独自の書体を採用したり、本体の形状やボタンのデザインに統一感を持たせるなど、視覚的な差別化を図っていました。これにより、Papyrus独自のブランドイメージを確立しました。
音声エンジン: ヤマハのLSIを採用し、高品質な音声再生を実現していました。
独自機能: シェア1位の「エクスワード」と比較して、独自の機能が充実していました。例えば、タッチパネルを搭載した機種では、手書き入力や、画面表示に応じたキー表示など、多彩な操作が可能でした。

歴史

シャープの電子辞書の主力モデルは、Brainブランドに移行されました。Papyrusは、モノクロ液晶を搭載した小型機種を中心に生産が継続されましたが、Brainブランドにもモノクロ液晶を採用した小型機種が追加されたことで、2010年代に全機種の生産が終了し、Brainブランドに統合されました。

主な機種（生産終了）

Papyrusには、以下のような様々なタイプの機種が存在しました。

生活総合タイプ

PW-AT790
PW-TC930（カラー液晶）：ブリタニカ国際大百科事典を搭載
PW-TC920（カラー液晶）：手書きパッド搭載
PW-TC900（カラー液晶）：電子辞書初のワンセグチューナー搭載
PW-N8100（カラー液晶）：音声機能を追加
PW-N8000（カラー液晶）：高精細カラー液晶搭載
PW-C8000（カラー液晶）：当時最多の71コンテンツ収録、音声機能付き
PW-AT780
PW-AT770
PW-AT760
PW-AT750
PW-A700
PW-V8100
PW-A8410
PW-A8400
PW-A3500
PW-9920
PW-9910
PW-A8050

学習・専門タイプ

PW-GM510
PW-GT570
PW-GT550
PW-G500
PW-V9550
PW-V9500
PW-V9400
PW-9400
PW-LT220
PW-LT230
PW-LT300
PW-V8910
PW-V8900
PW-V8600
PW-A8800
PW-A8500

コンパクトタイプ

PW-AM700
PW-AM500
PW-M100
PW-M800
PW-M850
PW-S7200

スタンダードタイプ

PA-F500
PA-660-NX
PA-630-NX
PA-860-SX
PA-660-GX
PA-630-GX

関連情報

Brain: シャープの電子辞書ブランド。Papyrusの後継として、現在も開発・販売が続けられています。

外部リンク

* 電子辞書（Brain/Papyrus）｜サポート・お問い合わせ：シャープ

Papyrusは、電子辞書市場において独自の存在感を示したブランドでした。その革新的な機能やデザインは、多くのユーザーに支持されました。現在はBrainブランドに統合されましたが、その歴史は電子辞書史において重要な位置を占めています。

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