Personal LINKS

Personal LINKS (パーソナルリンクス)とは

Personal LINKSは、株式会社IMAGICAが開発し、株式会社リンクスが販売していた3DCGソフトウェアパッケージです。また、東芝もASLINKSという名称で販売していました。当時としては高度な機能を備えており、プロフェッショナルな3DCG制作現場で利用されていました。

ソフトウェア構成

Personal LINKSは、複数のソフトウェアモジュールから構成されています。

L/Shape (後のL/Shape FE): モデリングを担当するモジュールです。3Dオブジェクトの形状を作成・編集するためのツールが豊富に搭載されています。
L/Manage: マテリアル設定、レイアウト、アニメーションなどを担当するモジュールです。3Dシーンの構成や動きを制御します。
L/Image (後のXL/Image及びSpeedRender): レンダリングを担当するモジュールです。3Dモデルを画像として出力するための処理を行います。
Neozoic Paint (ネメシス製): 2Dペイントを担当するモジュールです。テクスチャの作成や編集に使用します。
META EDITOR (メタ・コーポレーション・ジャパン製): メタボールを生成するモジュールです。柔軟な形状を持つオブジェクトを作成します。
Material Library: 豊富なマテリアル集です。様々な質感を表現するためのデータを提供します。

歴史

Personal LINKSの開発には、大阪大学工学部が開発したLINKS-1という試作品が深く関わっています。

1982年10月、大阪大学工学部がLINKS-1の試作品を作成しました。同年、東洋現像所（現IMAGICA）はトーヨーリンクスを設立し、当初はLINKS-1を用いて3DCG制作を行っていました。その後、トーヨーリンクスはLINKS-2を開発しました。

IMAGICAは、その後3DCGソフトウェアを内製化し、後にリンクスがPersonal LINKSとして外販を開始しました。

Personal LINKSは、当時の3DCG制作を支えた重要なソフトウェアの一つであり、その技術は後の3DCGソフトウェアに大きな影響を与えました。

関連項目

ネロ・グラフィックス: 株式会社スタジオブルテリアの子会社です。LINKS関係者が多く所属し、Shade用のレンダラー『LUXOR』を開発していました。しかし、親会社のスタジオブルテリアは2003年2月に破産申請を行っています。
Primatte: IMAGICAが開発しているキーヤーです。映像合成において、特定の色を透明にするために使用されます。

参考書籍

長田道昭『現代CG入門―幻想的CGアートから工業デザインまで』 1991年11月 ISBN 978-4485571224
大口孝之『コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション』 2009年6月2日 ISBN 978-4845909308

これらの書籍には、Personal LINKSを含む初期の3DCG技術に関する貴重な情報が掲載されています。

外部リンク

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