PfSense

pfSenseは、FreeBSDをベースにした、オープンソースのファイアウォールおよびルーターソフトウェアです。その起源は、組み込みシステム向けのファイアウォールとして開発されていたm0n0wallに遡ります。m0n0wallプロジェクトが2015年に終了した後、pfSenseは2004年にそこから派生し、2006年10月に最初のリリースが行われました。

現在では、pfSenseには二つの主要なエディションがあります。一つは、オープンソースで提供されるpfSense CE（Community Edition）であり、もう一つは、アプライアンス、仮想環境、クラウド環境向けに提供されるpfSense Plusです。pfSense Plusは2021年に発売が開始されました。これらのエディションは、さまざまな環境での利用ニーズに応えるよう設計されています。

機能



pfSenseは、多岐にわたるネットワーク機能を提供します。

  • - ファイアウォール機能: ステートフルインスペクションファイアウォールとして、ネットワークのセキュリティを確保します。
  • - NAT: ネットワークアドレス変換機能により、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換します。
  • - VPN機能: PPTP, L2TP, IPSec, OpenVPN, WireGuardといった多様なVPNプロトコルをサポートし、安全なリモートアクセスを可能にします。
  • - DHCP Server/Client/Relay: ネットワーク内のデバイスにIPアドレスを自動的に割り当て、管理します。
  • - ダイナミックDNS: 動的に変化するIPアドレスを持つ環境でも、固定のドメイン名でアクセスできるようにします。
  • - CLI, Web GUI: コマンドラインインターフェースとWebベースのグラフィカルユーザーインターフェースの両方を提供し、ユーザーの好みに応じた管理を可能にします。
  • - ロードバランシング機能: 複数のサーバー間でトラフィックを分散し、システムの可用性とパフォーマンスを向上させます。
  • - トラフィックシェーピング: ネットワークトラフィックの優先度を制御し、特定のアプリケーションやサービスの品質を確保します。
  • - Captive Portal機能: ユーザーがネットワークにアクセスする前に認証を必要とする環境を構築します。
  • - SSH: 安全なリモート管理を可能にします。
  • - PPPoEサーバ: PPPoE（Point-to-Point Protocol over Ethernet）接続をサポートします。
  • - DNSサーバ: ドメイン名をIPアドレスに変換します。
  • - Proxyサーバ: Webアクセスを仲介し、セキュリティとパフォーマンスを向上させます。

システム要件



pfSenseを動作させるためには、以下のシステム要件を満たす必要があります。

  • - 最低要件: 500MHz以上のCPUと512MBのRAMが必要です。
  • - 推奨要件: 1GHz以上のCPUと1GBのRAMが推奨されます。
  • - ディスク容量: フルインストールには1GB以上のディスク容量が必要です。

対応ハードウェアは、ベースとなっているFreeBSDに準拠します。これにより、幅広いハードウェア環境でpfSenseを利用できます。

対応バージョン



pfSenseの各バージョンは、特定のFreeBSDバージョンをベースにしています。

  • - pfSense Version 1.2: FreeBSD Version 6.2-RELEASE-p11
  • - pfSense Version 1.2.1: FreeBSD Version 7.0-RELEASE-p7
  • - pfSense Version 1.2.2: FreeBSD Version 7.0-RELEASE-p8
  • - pfSense Version 1.2.3: FreeBSD Version 7.2-RELEASE-p5
  • - pfSense Version 2: FreeBSD Version 8.1-RELEASE-p4
  • - pfSense Version 2.0.1: FreeBSD Version 8.1-RELEASE-p6
  • - pfSense Version 2.0.2: FreeBSD Version 8.1-RELEASE-p13
  • - pfSense Version 2.0.3: FreeBSD Version 8.1-RELEASE-p13
  • - pfSense Version 2.1: FreeBSD Version 8.3-RELEASE
  • - pfSense Version 2.2: FreeBSD Version 10.1-RELEASE
  • - pfSense Version 2.2.4: FreeBSD Version 10.1-RELEASE-15
  • - pfSense Version 2.4.0: FreeBSD Version 11.1-RELEASE
  • - pfSense Version 2.7.0: FreeBSD Version 14.0-CURRENT

関連項目



  • - FreeBSD: pfSenseのベースとなるオペレーティングシステムです。
  • - PF: pfSenseの中核となるファイアウォール機能を提供するソフトウェアです。
  • - m0n0wall: pfSenseのフォーク元となったプロジェクトです。
  • - OPNsense: m0n0wallの後継プロジェクトとして開発されています。

外部リンク



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