Place(プレース)について
Placeとは、
2017年4月1日から
Redditにて行われた共同プロジェクトであり、また社会実験でもあります。この実験は、r/placeというSubreddit内に存在するオンラインキャンバス上で展開されました。参加者は自由に選んだ16色から1色を選び、1
ピクセル単位でキャンバスを編集することができました。ただし、色を置いた後は、約5分から20分の間、次の編集ができないという制約がありました。
この実験は、
Redditのコミュニティ文化及びインターネット文化の表現として高く評価されています。
2022年には、再び同様のプロジェクトが計画されるなど、その影響は続いています。
実験内容と経過
このプロジェクトでは、縦1000
ピクセル、横1000
ピクセルのキャンバスが用意され、合計で100万
ピクセルの大きさを持っていました。参加者は、1つの
ピクセルに単色を塗ることができ、次に作業を行うために待機する必要がありました。最初の段階では、キャンバスは無秩序に色付けされたり、雑多なデザインが描かれたりしましたが、時間が経つにつれて秩序が生まれていきました。
特に初期の段階では、参加者が自由に描いた作品が多く、Placeの発案者であるJosh Wardleはその状態を「便所の落書きのようだ」と表現しました。進行するにつれて、特定のコミュニティが連携して大規模な作品を創作するようになりました。
コンピュータゲームや特定の
スポーツチーム、国々を象徴するデザインが多く見られたのも特徴です。
コミュニティ同士の協力によって、ドット絵風の作品が次々と生まれ、Nyan Catなどのインターネットミームも描かれました。また、愛国的な旗や、有名画家の作品の模写といった多様な表現が見受けられました。72時間の実験期間中には、約100万人が参加し、1600万回以上の編集が行われました。最終的には、キャンバスに9万人以上のユーザーが同時に編集を行うほどの盛り上がりを見せました。
評価と反響
Placeの概念は、色彩豊かな表現として多くのメディアに取り上げられ、高く評価されました。
ニューズウィークはこの社会実験を「インターネット史上最高の実験」と称賛し、A.V.クラブは「
Redditコミュニティの積極性を引き出す素晴らしい手段」と評価しました。経済教育財団はこの活動を「社会的自発性の新たな秩序の縮図」とし、
ギズモードも「インターネットの協力的な能力を示す素晴らしい例」とコメントしました。
また、キャンバスに描かれた作品と各コミュニティの関係性についても注目が集まりました。いくつかのコミュニティは独立して存在しながらも、より大きなグループの一部として協力していました。
Ars Technicaは、Placeにおける協力の精神がオンラインコミュニティにおける過激思想に対抗するためのモデルとなりえる可能性を示唆しています。
しかし、一方で、いくつかの仕様に関しては批判もありました。たとえば、ボットによる不正な操作を防ぐための保護プログラムや、
ピクセルの自動配置機能が欠けていた点などが指摘されています。このように、Placeは多くの肯定的な評価を受ける一方で、改善すべき課題も存在していたのです。