PlayStation Magazine

『PlayStation Magazine』（プレイステーションマガジン）は、徳間書店インターメディアが1994年11月から1999年12月まで刊行していたPlayStation専門のゲーム雑誌です。PlayStation専門誌としては珍しく、PlayStation 2の発売前に休刊となりました。

概要

1994年12月にソニー・コンピュータエンタテインメント（SCEI）がPlayStationを発売した際、同時期に創刊された雑誌群の一つとして誕生しました。当初は月刊誌としてスタートし、翌年9月からは月2回刊（後に隔週刊）へと移行しました。

創刊当初は『ファミリーコンピュータMagazine』と同様の右開き（縦書き）を採用していましたが、後に他誌に合わせて左開き（横書き）に変更されています。

略称は「プレマガ」ですが、SCEIが「プレステ」の略称を認めていなかったため（「ステ」が「捨て」を連想させるとされた）、誌面上では「PSマガジン」と表記されることが一般的でした。しかし、「プレステ」という略称が一般に広まるにつれて、本誌内でも「プレマガ」という表記が用いられるようになりました。

ライターによるレビューだけでなく、読者投票によるソフトの採点をいち早く導入したり、ユーザーからの要望をメーカーに伝えるコーナーを設けるなど、『ファミマガ』から受け継いだ読者の声を積極的に反映する姿勢が特徴でした。一時はPS専門誌の中で上位に入るほどの部数を誇りました。

しかし、1998年以降、『ザ・プレイステーション』などの他誌が月刊から隔週、そして週刊へと発行ペースを加速させたことで、新作情報の掲載で遅れを取り、部数が低迷しました。これに対抗するため、本誌も発売ペースを隔週に引き上げるとともに、当時の編集長であった杉村知顕氏の「考えるゲームしか紹介しない」という方針のもと、ロールプレイングゲームやシミュレーションゲームの紹介・攻略に重点を置く路線へと変更しました。

また、PSソフトの発売日が金曜日から木曜日に変更されたことを機に、本誌の発売日も木曜日に変更しましたが、メーカーからの情報解禁日は従来通り金曜日のままだったため、結果的に他誌よりも1週遅れて情報が掲載されることになり、速報性を欠くこととなりました。

廃刊直前は隔週刊を謳っていましたが、合併号の発行が相次ぎ、事実上はほとんど月刊誌のような状態でした。2000年3月に徳間書店インターメディアが親会社である徳間書店に吸収合併されるのに先立ち、ゲーム雑誌部門の整理・統廃合が決定し、本誌も廃刊となりました。最終号となった1999年12月発売号に掲載された記事はわずか12本に留まり、ゲーム専門誌としての体をなしていなかったと言えるでしょう。

長スギムラ

本誌刊行末期の約半年間、巻末には編集長である杉村知顕氏による日記兼コラム「長スギムラ」が掲載されていました。「業界の裏側が見える編集長日記」と題され、杉村氏によるゲーム業界に対する率直な意見が読者の注目を集めました。

特に、スクウェア（現スクウェア・エニックス）の『レーシングラグーン』について、「メーカー公称の『ハイスピードドライビングRPG』ではなく、単なるレースゲームとしか思えない」という趣旨の見解を示したことが、スクウェア側の反感を買いました。杉村氏は、本誌がRPG紹介に力を入れているため、『レーシングラグーン』の紹介にページを割けないことを遺憾であると述べましたが、スクウェア側はこれを不当なバッシングと捉えたのです。

その後、両者は和解しましたが、この事件がきっかけとなり、スクウェアから『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』の素材提供を拒否される事態となり、本誌の刊行に大きな影響を与えたと言われています。

ただし、当時の『PlayStation Magazine』には、杉村知顕氏が原因となる休刊につながる要因が他にも存在していたため、上記の件が直接的な原因で休刊に至ったわけではありません。

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