PlayStation Mobile

PlayStation Mobile（プレイステーション・モバイル）

PlayStation Mobile（PSM）は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発したプラットフォームで、PlayStation VitaやPlayStation Vita TV、さらにはAndroid対応端末もサポートしていました。これは旧称のPlayStation Suiteを改称したもので、主に多様なデバイスに対応したゲーム開発の環境を提供することを目的としていました。従来の専用ゲーム機の枠を超え、より広範囲な環境で共通のゲームソフトを展開する試みだったのです。

プラットフォームの特徴

PSMは、特にゲーム開発者に対してオープンな環境を提供しており、従来のソニーと提携したデベロッパーだけでなく、新規の開発者も参加できる仕組みを取り入れていました。この柔軟性により、さまざまなジャンルのアプリケーションが開発される可能性がありました。しかし、2014年8月にはAndroid端末でのサポートが終了し、その後はPS Vitaに特化した方向性が明らかになりました。最終的には、2015年3月にサービス終了が発表され、同年7月と9月にはコンテンツの新規販売と再ダウンロードがそれぞれ終了しました。

動作環境と開発ツール

PSMアプリケーションは、仮想マシン上で動作し、CPUに依存しないマネージコードを用いることが特徴的でした。このため、Android 2.3から4.4.2の範囲では広範な動作が可能でした。また、PS Vita向けに開発を行う際には、PlayStation Mobile SDKが必要でした。このSDKは、汎用性の高い言語であるC#を使用するため、個人開発者や学生にとっても利用しやすいものでした。さらに、インターフェースデザインやシミュレーションを行うためのツールも提供されていました。

PlayStation Mobile Developer Program

PSMでの開発を支援するために、2012年11月にはPlayStation Mobile Developer Programがスタートしました。このプログラムは、無料でデベロッパー登録ができ、開発サポートを受けられる制度で、多くの国に展開されました。これにより、開発者は自らのアプリケーションをPlayStation Storeを通じて販売することが可能となり、一般的なアプリやゲームだけでなく、様々な分野に挑戦することができたのです。

パブリッシャーライセンス

デベロッパーは、パブリッシャーライセンスを取得することで、PlayStation Storeからの配信が可能となりました。これは、個人や法人問わず適用され、実際のテストやデバッグにも必須ものでした。こうしたライセンス契約を通じて、開発者は自らの作品を広く配信するチャンスを得たのです。

終焉と影響

PlayStation Mobileは、2015年にそのサービスを完全に終了しました。これは、Android端末向けのサポートを手放すことを意味し、PS Vitaに特化したアプリケーションの開発にシフトしました。サービス終了に際して、開発者やユーザーには多くの影響がありましたが、PSMはその柔軟性とオープンな開発環境を持って、様々な新たなクリエイティブな挑戦を促進し、多くの関係者に新しい機会をもたらしたトライアルだったこのプラットフォームは、ゲーム開発の進化に寄与したといえるでしょう。

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