Pretty Style

『PRETTY STYLE』（プリティ・スタイル、通称：PS）は、小学館が発行していた女性向けファッション誌です。2002年4月創刊、2011年12月号をもって休刊しました。ターゲットは20歳前後の女性で、いわゆる裏原宿系ファッションを提案していました。

『PRETTY STYLE』のルーツは、1990年代後半に女子中高生の間で絶大な人気を誇った『プチセブン』にあります。『プチセブン』は年間発行部数60万部を記録するほどの大ヒット誌でしたが、小学館は年齢層を上げた継続誌として『PRETTY STYLE』を創刊しました。しかし、『プチセブン』とは全く異なるコンセプトで誌面は構成され、ターゲット層もより大人向けのスタイルへとシフトしました。誌面では「かっこいいのにカワイイ」をキーワードに、20代前半の女性をターゲットにしたカジュアルファッションが多数掲載されました。価格は580円（税込）でした。

しかし、『PRETTY STYLE』は、前身誌『プチセブン』時代とは異なる厳しい状況に直面しました。『プチセブン』が競合誌として『セブンティーン』しかなかったのに対し、『PRETTY STYLE』は『mini』や『SEDA』といった、同系統の雑誌が既に市場を席巻していました。その結果、発行部数は『プチセブン』時代と比較して40万部以上も減少。さらに『プチセブン』休刊の影響で、『セブンティーン』の発行部数が倍増するなど、市場環境は激変しました。小学館の雑誌部門は、『プチセブン』休刊後の決算期に大幅な赤字を計上する事態に陥りました。

『PRETTY STYLE』では、多くのモデルやアーティストが起用されました。特に、中島美嘉は表紙や連載を多く飾っており、誌面を象徴する存在でした。その他にも、大出千尋、星羅といった専属モデルや、東野翠れん、紗羅マリー、菊池亜希子、木村綾子、堂本剛、Perfumeなど、多くの著名人が登場しました。

2011年7月25日、小学館は『PRETTY STYLE』の休刊を発表しました。公式ブログでも休刊が伝えられ、多くの読者に衝撃を与えました。休刊理由として、小学館は「広告収入の低迷」と「若者のライフスタイルの変化」を挙げています。最終号のカバーガールは蒼井優が務めました。

『PRETTY STYLE』は、時代の変化や市場競争の激化という厳しい現実を反映した、短命に終わったファッション誌でした。しかし、その短い歴史の中で、独特のスタイルと魅力で多くの読者を獲得し、日本のファッション史に一石を投じたことは間違いありません。また、多くのモデルやアーティストの活躍の場を提供したことも、その意義と言えるでしょう。9年間という短い期間ではありましたが、『PRETTY STYLE』は、多くの読者や関係者の記憶に刻まれた雑誌として、その存在感を示し続けていると言えるでしょう。

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