Project Ara

Project Ara（プロジェクト アラ）



Project Araは、Googleが手がけたモジュールパーツ組み立て式のAndroidスマートフォンです。このプロジェクトはオープンソースハードウェアの一環として位置付けられ、自由な開発ができるプラットフォームを提供することを目指していました。

概要



このスマートフォンは金属製のフレームのみで構成されており、ユーザーはそこにバッテリーやカメラ、ディスプレイといったモジュール化されたパーツを取り付けることで、自分だけのオリジナル端末を作成できます。各モジュールは独立して交換可能であるため、故障した場合は該当するモジュールのみを交換し、新たな機能や性能を追求するために高性能なものにアップグレードすることも容易です。これにより、一般的なスマートフォンと比較して機器の寿命が延びることが期待されており、電子機器廃棄物の削減につながるとされていました。

開発の経緯



Project Araの開発は、2011年にGoogleがモトローラ・モビリティを買収したことから始まりました。この買収により、モジュラー携帯電話に関するいくつかの特許も取得しました。その後、2013年10月にはモジュール化スマートフォンのコンセプトとしてProject Araの開発が発表されました。

しかし、開発チームは各モジュールを独立したパーツとして分離することに予想以上に苦戦しました。開発が進むにつれ、CPUやGPU、アンテナ、センサー、バッテリー、ディスプレイが最初から組み込まれる仕様になり、ほとんどの部品が交換不能になってしまう事態に陥りました。このような変化によってProject Ara本来の目指す理念に対する疑問が浮かぶようになりました。また、モジュールの製造コストが非常に高く、開発は思うように進みませんでした。最終的に2016年9月、開発中止が発表されました。

販売予定



当初、Project Araは2015年8月にプエルトリコでの試験販売を予定していましたが、直前になってその計画は中止されました。その後、2016年以降に販売を延期することとなりました。2016年5月20日に行われた開発者向けイベント『Google I/O 2016』では、開発者向けバージョンが同年の第四四半期に、一般向けが2017年に発売されることが発表されました。イベントで披露された試作品は電磁石とラッチを用いてモジュールの着脱が可能で、音声認識によるモジュールの取り外しも実現していました。

しかしながら、2016年9月2日にはプロジェクトの開発中止が正式に発表され、期待されていたプロジェクトはついに姿を消すこととなりました。Project Araは、その斬新なアイデアと仕様が注目されながらも、さまざまな問題のために商業化には至りませんでした。

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