QC (ソナー)

QCソナーの概説

QCは、アメリカ合衆国で開発されたソナーシステムであり、その背景には第一次世界大戦における潜水艦による脅威が存在しました。この文書ではQCの来歴、設計、およびその後の発展について詳述します。

1. 来歴

第一次世界大戦の期間中、敵の潜水艦を発見するための技術が切実に求められていました。最初に実用化されたのがハイドロフォンで、これは後にパッシブ・ソナーと呼ばれることになりました。この技術が進展する中で、アクティブ式のASDIC（アクティブ・ソナー）の開発も進行しましたが、実際の戦争には間に合わなかったのです。1918年にはアメリカ海軍とイギリス海軍がアクティブ・ソナーの実用化に期待を寄せていました。

アメリカ海軍は初めにQAという概念証明モデルを開発し、1927年には海上試験を開始しました。その改良型がQCであり、信頼性の向上が図られました。1934年には9隻の駆逐艦がQAを装備し、さらにXQCのプロトタイプも同年に装備されました。

2. 設計

QCソナーは、オペレーターがハンドルを回して送受波器を指向し、探信音を発信します。そして返ってくるエコーをヘッドフォンや拡声器を使って聴取します。エコーが得られれば回転灯が点灯し、目標までの距離が記録されます。この技術は当時のソナーとして一般的でしたが、1回の探知で1方向のみを測定できるという限界がありました。

初期モデルのQAは高周波数で運用されていたため、探知できる距離は短く、低速での動作に制約がありました。続くQC-1Aの試験では、駆逐艦の速度が5ノットの際に3,324メートル、15ノットでは1,760メートルの距離で潜水艦を探知できました。1939年には60隻の駆逐艦にQC系のソナーが導入され、1941年には170隻に増加しました。

このQCソナーは、同時に開発されたQBシリーズの小型艦艇とともに、アメリカ海軍の駆逐艦や護衛駆逐艦の標準装備となりました。

3. QGAの登場

1944年に新たな改良型QGAが登場しました。この新しいソナーは、長距離探知向けの14キロヘルツと、精密走査用の30キロヘルツの二つの周波数帯を使用していました。さらに、方位偏差指示器（BDI）を連接することで、エコーの方向を正確に測定することが可能になりました。QCでは探知限界が17〜18ノットであったのに対し、QGAはそれを30ノットに引き上げ、攻撃時の速度も18〜20ノットに増強されました。

QGAの導入は、2,200トン級駆逐艦への配備を見越しており、サムナー級やギアリング級駆逐艦は高性能護衛艦として知られることになりました。しかし、生産速度が予想より低かったため、最初に「ファラガット」が新設計のソナードームを装備することになりました。

4. 結論

QCソナーは、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての対潜水艦戦において、重要な役割を果たしました。さまざまな改良を施しつつ、アメリカ海軍における対潜戦技術の進化を促進し、海軍の運用能力を向上させたのです。

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