R-40 (ミサイル)

R-40 (K-40) 空対空ミサイル

R-40（別名K-40）は、ロシア連邦によって開発された長距離空対空ミサイルであり、主にMiG-25戦闘機の主武装として使用されています。このミサイルは、アメリカ合衆国の国防総省（DoD）によってAA-6と識別され、北大西洋条約機構（NATO）では「Acrid」（「辛辣」を意味する）というコードネームが付けられています。

開発背景

R-40の開発は、敵の妨害が存在する中でも高空および低空の高速目標を撃墜できる能力を求められたことに始まります。これを実現するために、ミサイルのレドーム部分やセンサーキャップには耐熱素材が採用されており、高速飛行時の高熱に対抗できる設計となっています。また、推進剤の燃焼による影響を最小限に抑えるため、ロケットモーターは重心の中間に配置されています。加えて、前方に配置されたカナードは、ミサイルに高いG（重力加速度）に耐える能力をもたらしています。

さらに、近接信管にはソビエト連邦初のレーダー光学式指向性HE（高爆発榴弾）が装備されており、目標の撃破率が向上しています。この特性により、R-40は効果的な空対空戦闘を実現しました。また、モジュール化設計により、高い生産性と整備性を兼ね備えており、分業による生産が可能です。現地での複雑な整備を避け、モジュールごとに交換ができるため、運用の柔軟さも増しています。

派生型

R-40にはいくつかの派生型があります：

• - R-40R：セミアクティブレーダー誘導型
• - R-40T：赤外線誘導型
• - UR-40R：R-40Rの訓練弾、主にMiG-25PUで運用
• - UR-40T：R-40Tの訓練弾、同様にMiG-25PUで使用
• - R-40RD：MiG-25PD用に開発されたR-40Rの改良型
• - R-40TD：MiG-25PD用に開発されたR-40Tの改良型

運用機体と運用国

R-40の運用は主に次の機体によって行われます：

• - MiG-25
• - MiG-31

運用している国には、アルジェリアやイラク、シリア、インドなどがあり、特にロシアでは2008年に退役しましたが、MiG-31による運用が続けられていると言われています。ソビエト連邦解体後も、多くの後継国家に引き継がれています。

参考文献

• - Gordon, Yefim (2004). Soviet/Russian Aircraft Weapons Since World War Two. Hinckley, England: Midland Publishing. ISBN 1-85780-188-1.

関連項目

• - MiG-25：R-40との密接な関わりを持つ航空機。
• - R-33：R-40の後継ミサイル。
• - R-37：R-33の後継となるミサイル。

外部リンク

• - アメリカ科学者連盟（英語）
• - Globalsecurity（英語）
• - К-40, Р-40 Airwar.ru（ロシア語）
• - К-40Д, Р-40Д Airwar.ru（ロシア語）
• - Р-40Д-1 Airwar.ru（ロシア語）

R-40は、その性能と運用の柔軟性から、空対空戦闘における重要な兵器として位置付けられています。

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