R2Y (航空機)

R2Y輸送機の概要

R2Yは、コンソリデーテッド社がアメリカ海軍向けに設計した輸送機であり、その愛称は「リベレイターライナー（Liberator Liner）」です。この機体は、かつての大型爆撃機B-24を大規模に改造した型であり、最初の試作機と生産型の合計2機のみが製造されました。

背景

B-24は、アメリカ陸軍および海軍で活躍した爆撃機であり、1942年には陸軍ではC-87、海軍ではRY（愛称・リベレイターエクスプレス）として輸送機にも転用されていました。この実績を基に、コンソリデーテッド社はより本格的な輸送機の開発に着手しました。改設計の基盤となったのは、B-24を海軍が哨戒機として使用していたPB4Y-2です。

PB4Y-2は、B-24とは異なり、背が高い一枚構造の垂直尾翼を持っていました。R2Yでは、全長が4.4メートル延長され、これにより運搬能力を向上させる工夫がなされました。また、胴体のデザインも変更され、直径3.2メートルの円形の構造に変更されました。一方、主翼の配置は高翼配置のままに保たれています。

特徴と性能

R2Y輸送機では武装が排除され、搭載機銃などの攻撃装備は存在しません。代わりに、機内には48席を用意することができ、多人数の輸送が可能な設計になっています。さらに、アメリカ海軍は1944年3月20日に253機の発注を行いましたが、後の経緯からこの計画は変更で生じました。

初飛行は1944年4月15日に行われたものの、R2Yは爆撃機改造型であったため、主翼桁が胴体に貫通する構造となっており、純粋な輸送機としての空間効率は低下しました。そのためR2Yの貨物積載能力は8.4トンにとどまり、競合機であるR5Dの14トンに比べて著しく劣っていました。この制約が影響し、海軍は最終的にR2Yの製造キャンセルを決定しました。

生産型にあたるR2Y-1も1機が製造され、1944年9月29日に初飛行しましたが、完成した機体はコンソリデーテッド社の所有機となりました。その後、R2Yは1945年7月から8月までアメリカン航空で試験的に運用されたものの、終戦後には軍が大量に払い下げた中古輸送機の影響で新造機の需要がなく、市場が飽和してしまっていました。

最終運命

このような背景から、R2Yは実質的に航空輸送市場から消えてしまい、結局その半生をスクラップとして終える結果となりました。

機体要目

• - 全長：27.43m
• - 全幅：33.53m
• - 全高：7.92m
• - エンジン：P&W R-1830レシプロ星型エンジン 1,200馬力 × 4基
• - 乗員：4名
• - 搭載量：48名または貨物8.4トン
• - 航続距離：6,400km

以上がR2Y輸送機の概要と特性です。希少な機体でありながら、その歴史は短く、戦争終結後の厳しい市場条件により姿を消しました。

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