REAL LIFE (アルバム)

ARB / REAL LIFE

『REAL LIFE』（リアル・ライフ）は、日本のロックバンド、ARBが1998年3月21日にリリースした、通算13枚目のスタジオ・アルバムです。この作品は、バンドにとって記念碑的な意味合いを持つ一枚となりました。

再始動を飾る待望の新作

前作にあたる『SYMPATHY』から、実に8年4か月もの長きにわたる期間を経て発表された本作は、活動を休止していたARBが再結成を果たして初めて世に送り出したアルバムです。バンドが再び動き出したことを告げる、ファン待望の作品となりました。休止期間を経てもなお失われない、ARBならではの骨太なロックサウンドと、現実を見据える鋭い視点が込められた歌詞世界が展開されています。

アルバムのリリースと同日には、彼らの楽曲が様々なアーティストによって再解釈されたトリビュート・アルバム『ARB COVERS』も発売されています。これは、ARBというバンドが日本のロックシーンにおいて、いかに多くのミュージシャンやリスナーに影響を与え続けてきたかを如実に示す出来事であり、『REAL LIFE』のリリースと共に、バンドの現在地と影響力を改めて示す形となりました。

収録曲と制作陣

本作には、全10曲が収録されています。全ての楽曲の作詞は、ボーカルの石橋凌が担当しています。彼の紡ぎ出す言葉は、社会への問いかけ、人間の内面に潜む葛藤、そして希望や再生といった、多岐にわたるテーマを扱っており、『REAL LIFE』というアルバムタイトルが示唆するように、偽りのない「現実」が力強く歌われています。

作曲は、バンドメンバーである内藤幸也、EBI、石橋凌、そして篠原太郎がそれぞれ手掛けています。それぞれのメンバーが持つ音楽的な個性が反映され、アルバム全体に多様なカラーをもたらしています。

内藤幸也は「REAL LIFE」「スケアクロウ」「バラとサボテン」の3曲を。
EBIは「はじまりの詩」「MAD WAVE」「悪い奴ほどよく眠る」の3曲を。
石橋凌は「TOKYO OUTSIDER」「INFINITELY」の2曲を。
篠原太郎は「CYBER RAIN」「Re-born (to be free)」の2曲を作曲しています。

編曲は基本的にARB自身が手掛けていますが、「INFINITELY」と「Re-born (to be free)」の2曲では、外部ミュージシャンであるKYON氏が共同で編曲に参加しています。

楽曲リスト

以下に、本作に収録された全10曲のリストを示します。

1. REAL LIFE (作曲: 内藤幸也 / 5分55秒)
2. はじまりの詩 (作曲: EBI / 4分57秒)
3. TOKYO OUTSIDER (作曲: 石橋凌 / 5分40秒)
4. INFINITELY (作曲: 石橋凌 / 6分27秒) ※編曲: KYON+ARB
5. MAD WAVE (作曲: EBI / 6分46秒)
6. 悪い奴ほどよく眠る (作曲: EBI / 4分40秒)
7. スケアクロウ (作曲: 内藤幸也 / 4分45秒)
8. バラとサボテン (作曲: 内藤幸也 / 5分35秒)
9. CYBER RAIN (作曲: 篠原太郎 / 5分53秒)
10. Re-born (to be free) (作曲: 篠原太郎 / 6分36秒) ※編曲: KYON+ARB

これらの楽曲は、いずれも5分以上の演奏時間を持つものが多く、特に「INFINITELY」「MAD WAVE」「Re-born (to be free)」は6分を超える大作です。これは、再始動にあたり、より深く、壮大な音楽世界を表現しようとするバンドの意欲の現れと言えるでしょう。

アルバムに込められたメッセージ

アルバムタイトルである『REAL LIFE』は、「現実の生活」や「ありのままの人生」を意味します。バンドが長期間の休止を経て再び活動を開始するにあたり、彼らが向き合ったであろう現実、そして音楽を通して表現しようとした「生」のメッセージが込められていると考えられます。石橋凌の力強いボーカルと、各メンバーが織りなす骨太なアンサンブルが一体となり、聴く者の心に響く作品となっています。再結成後のARBの力強い第一歩を示す、まさに復活の狼煙を上げるにふさわしい一枚です。

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