ROCK ALIVE

森高千里『ROCK ALIVE』：変化と挑戦が同居する意欲作

1992年3月25日にリリースされた森高千里の6枚目のアルバム『ROCK ALIVE』は、彼女の音楽キャリアにおける重要な転換期を示す作品と言えるでしょう。

ジャケットの変化

アルバムジャケットは、前作までに見られた派手なコスチュームから一転し、より自然体に近いスタイルへと変化しました。これは、森高の音楽性や表現に対する意識の変化を反映しているのかもしれません。

収録内容

『ROCK ALIVE』は、全16曲というボリュームのある内容で、森高千里の多彩な音楽性が堪能できます。

先行シングル「コンサートの夜（Album Version）」は、ライブでの盛り上がりを意識したアップテンポなナンバー。アルバムバージョンではイントロが若干長くなっており、シングルとは異なる印象を与えます。

後にドラマ主題歌としてシングルカットされた「私がオバさんになっても（Album Version）」は、女性の心情をリアルに描いた歌詞が共感を呼びました。アルバムバージョンはフェードアウトで終わるのに対し、シングルバージョンはカットアウトで終わるという違いがあります。

「叔母さん」は、初期の頃に作詞で参加していた伊秩弘将が作曲を手掛けた楽曲。歌詞はフィクションでありながら、親しみやすいメロディが印象的です。

新たな試み

本作では、新たな試みとして、森高自身が作曲に挑戦した「酔わせてよ今夜だけ」が収録されています。演歌調のメロディと情感豊かな歌声が、彼女の新たな魅力を引き出しています。この曲は、後に城之内早苗や高山厳によってカバーされ、森高の作曲家としての才能を広く知らしめるきっかけとなりました。

また、「ROCK ALIVE」では、森高自身がギターを演奏しており、ギターコードがコーラスに入るというユニークな試みがなされています。これは、リスナーが実際にギターを練習できるという、遊び心溢れる仕掛けと言えるでしょう。

多彩なアレンジャー陣

本作では、斉藤英夫、前嶋康明、高橋諭一、河野伸、服部隆之、松尾弘良、横山雅史といった、多彩なアレンジャー陣が参加しています。それぞれの個性が光るアレンジは、楽曲の魅力をさらに引き立てています。

河野伸は、本作で初めて森高の楽曲に参加し、「THE BLUE BLUES」を手掛けました。また、服部隆之は、「ふるさとの空」で童謡風のアレンジを、「BOSSA MARINA」でジャズ調のアレンジを披露するなど、幅広い音楽性でアルバムに彩りを添えています。

まとめ

『ROCK ALIVE』は、森高千里が新たな表現に挑戦し、音楽性の幅を広げた意欲作と言えるでしょう。ジャケットの変化、森高自身の作曲、多彩なアレンジャー陣の起用など、様々な要素が組み合わさり、聴きごたえのあるアルバムとなっています。森高千里の音楽を深く知る上で、欠かせない一枚です。

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