RUF・CTR3

RUF CTR3：ポルシェ911を凌駕する究極のスポーツカー

RUFオートモービル社が開発したCTR3は、その名の通り、同社がこれまで送り出してきた高性能スポーツカー、CTRおよびCTR2の後継機として2007年4月に発表されました。発表の舞台は、RUF社の新しい工場が置かれたバーレーン・インターナショナル・サーキット。その華々しさは、このモデルの特別な地位を象徴しています。

ベース車両にはポルシェ911（997型）が用いられていますが、単なるチューニングカーとは一線を画す、RUF独自のこだわりが随所に凝縮されています。まず目を引くのが、ミッドシップレイアウトの採用です。ポルシェ911の伝統的なリアエンジンレイアウトを捨て、エンジンを車両の中央に配置することで、理想的な重量バランスと卓越したハンドリングを実現しています。シャシやボディもRUF社によるオリジナル設計であり、ポルシェ911との共通点はごくわずかです。ボディサイズは911と比較して全幅は拡大されましたが、全長は若干コンパクトに設計されています。

心臓部には、ポルシェ911の3.8L水平対向6気筒エンジンとは異なる、RUF社独自開発の3.8L水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載。インタークーラーの採用により、700PS/7,000rpmという驚異的なパワーと、890N・m/4,000rpmという強烈なトルクを発生します。その性能は、当時ポルシェのフラッグシップスポーツカーとして名高いカレラGT（612PS）を大きく凌駕し、最高速度380km/h、0-100km/h加速3.2秒という圧倒的な加速性能を誇ります。2011年にはさらなる改良が加えられ、最高出力は750PS/7,100rpmに向上しました。最高速度は据え置きですが、その加速性能はさらに磨きがかかったと言えるでしょう。

トランスミッションは、車体のレイアウトに合わせて新設計された横置きギアボックスです。リアバルクヘッド後部には、ミッションとサスペンションを支えるスペースフレームが追加され、ボディ剛性の向上と軽量化に貢献しています。

2013年にはマイナーチェンジを実施。主要コンポーネントのベース車両が997型911から991型911へと変更されました。これにより、ベースとなるプラットフォームは近代化され、最新の技術が取り入れられました。

日本においても、正規輸入代理店であるRTCを通じて販売が行われていました。これにより、日本の自動車ファンもRUF CTR3の圧倒的な性能と洗練されたデザインを体感することができました。

RUF CTR3は、単なるチューニングカーの域を超えた、RUF社の技術力と情熱が凝縮された一台と言えるでしょう。ポルシェ911をベースとしながらも、独自の設計思想と圧倒的な性能によって、独自の地位を確立した、まさに究極のスポーツカーです。その存在は、多くの自動車愛好家にとって、永遠の憧れであり続けることでしょう。

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