Real Time Media Flow Protocol

Real Time Media Flow Protocol (RTMFP) について



Real Time Media Flow Protocol (RTMFP) は、Adobe が開発したリアルタイムメディア伝送のためのプロトコルです。このプロトコルは、低遅延の UDP ストリーミングと、複数の Adobe Flash Player 間でのピアツーピア（P2P）通信を可能にし、リッチなライブのリアルタイムコミュニケーションを実現します。

RTMFP の特徴



  • - 低レイテンシ: RTMFP は User Datagram Protocol (UDP) を利用しており、Transmission Control Protocol (TCP) を使用する RTMP と比較して、レイテンシを低く抑えることが可能です。これにより、リアルタイム性の高いアプリケーションに適しています。
  • - P2P 通信: RTMFP は、Flash Player 間で直接データ通信を行う P2P ネットワークを構築できます。これにより、サーバーを介さずにエンドユーザー同士が直接通信し、より効率的なデータ伝送を実現します。例えば、ビデオチャットやオンラインゲームでのリアルタイムコミュニケーションに活用できます。
  • - UDP ホールパンチング: P2P 通信の確立には UDP ホールパンチング技術が用いられます。これにより、NAT 環境下でも P2P 通信が可能になります。ただし、ファイアウォールなどの設定によっては P2P 通信が利用できない場合があります。
  • - 信頼性の高い UDP 通信: Flash Player 10.1 以降では、UDP でありながらも TCP のような信頼性のあるデータ伝送もサポートされています。`flash.net.NetStream` の `dataReliable` プロパティを設定することで、データの信頼性を向上させることが可能です。
  • - アプリケーションレベルマルチキャスト: Flash Player 10.1 からは、P2P で接続されたグループ全体にデータを配信できるアプリケーションレベルのマルチキャストがサポートされています。これにより、グループ全体へのデータ配信効率が向上します。

RTMP と RTMFP の違い



RTMP と RTMFP の主な違いは、利用するネットワークプロトコルにあります。RTMP は TCP を使用するのに対し、RTMFP は UDP を使用します。UDP は TCP と比較して以下の利点があります。

  • - 低レイテンシ: TCP はパケットロスが発生した場合、再送を行うためレイテンシが大きくなる傾向がありますが、UDP は再送を行わないため、低レイテンシを実現できます。
  • - パケット損失への耐性: UDP はパケットロスが発生しても通信を継続できるため、無線インターネット接続などパケットロスが発生しやすい環境でも安定した通信が可能です。

RTMFP の応用例



RTMFP は、以下のようなアプリケーションで活用されています。

  • - ソーシャルネットワーク: リアルタイムでのコミュニケーション機能（例：ビデオチャット、音声通話）
  • - マルチユーザーゲーム: プレイヤー間のリアルタイムなデータ同期
  • - ライブストリーミング: 低遅延での動画配信
  • - コラボレーションツール: リアルタイムでの共同作業

歴史



RTMFP の技術は、2006年に Adobe が買収した Amicima 社の技術をベースに開発されました。

関連項目




外部リンク




仕様



もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。