Room Of King

『Room Of King』：個性豊かな住人たちと、予測不能な展開の群像劇

2008年10月4日から11月29日にかけて、フジテレビ系の土曜ドラマ枠で放送された『Room Of King』は、水嶋ヒロと鈴木杏を主演に迎え、個性豊かな9人の男女が暮らす高級マンションを舞台にした群像劇です。全話を通して、視聴者を飽きさせない展開と魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様は、多くの話題を呼びました。

物語は、不動産屋「伊集院」の紹介で、フリーターの森次郎（水嶋ヒロ）とOLの浅田朝子（鈴木杏）が、高級マンション「KING」でルームシェアをすることから始まります。しかし、他の入居者たち—スタイリスト、医師、料理人、主婦、IT関係の仕事をしている人、映画プロデューサー、そしてニート—は、それぞれ異質な個性と背景を持っており、彼らの共通点を見つけるのは困難です。当初は、なぜ彼らが「KING」に集められたのか、その目的は不明瞭でした。しかし、物語が進むにつれて、入居者たちの間で「Room of King」という称号を巡る、奇妙な競争が始まることが明らかになります。

それぞれの登場人物は、深く掘り下げられた個性を持っています。森次郎は生花店とバーでアルバイトをするフリーターで、ケチャップと練り物が大好きという、どこか抜けた一面も持ち合わせています。一方、朝子は銀行員で、無意識のうちに死語を連発する、明るい性格の持ち主です。物語の後半では、アイドルに転身するという意外な展開も待ち受けています。

他の入居者たちも、それぞれに複雑な事情を抱えています。ベジタリアンのスタイリスト、真島洋平（渡部篤郎）は、過去にサラリーマンとして働いていた経験を持ちます。響京子（井川遥）は産婦人科の院長でありながら、隠された過去を抱えています。彼女の病院では、イケメン看護師たちが働いているという、ユニークな設定も印象的です。料理人の孫健一（板尾創路）は、乗馬中に思いついたという珍メニューを出す創作料理店で、強盗犯を歌で説得したという、型破りなエピソードも持ちます。

さらに、夫と子供を家に残して「KING」に入居した主婦、藤城和江（石野真子）、自分の部屋にこもって仕事をすることが多いIT関係の田中正一（深沢敦）、こだわりの映画を配給する映画プロデューサーの細野春臣（平山広行）、そして元サラリーマンのニート、高草木空（大倉孝二）など、個性豊かなキャラクターたちが、物語に彩りを加えています。

彼らを管理するのは、営業時間の変わった不動産屋「伊集院」の3人、伊集院竹（斉木しげる）、伊集院梅（我修院達也）、伊集院松（ミッキー・カーチス）です。彼らは、時に謎めいた言動で、入居者たちの行動に影響を与えていきます。

『Room Of King』は、豪華なキャスト陣と、予測不能な展開、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす、唯一無二の群像劇です。それぞれのキャラクターの背景や人間関係、そして「Room of King」という謎の称号を巡る競争が、最後まで視聴者を魅了します。2009年にはDVD-BOXも発売され、改めてその魅力を堪能することが可能です。

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