Roslyn

.NETコンパイラプラットフォーム（Roslyn）

.NETコンパイラプラットフォーム、一般にRoslyn（ロズリン）として知られるこのプロジェクトは、C#およびVisual Basic .NETのコンパイラと、コード解析のためのAPIを提供する、フリーかつオープンソースのプラットフォームです。Roslynの最大の特徴は、コンパイラ自身がそれぞれの言語（C#またはVB.NET）で記述されている点です。これは「セルフホスティング」と呼ばれ、コンパイラの開発と進化をより柔軟かつ迅速に行えるようにしています。

Roslynのコンパイラの利用方法

従来のコンパイラと同様に、Roslynのコンパイラはコマンドラインインターフェースを通じて使用することができます。しかし、Roslynは、.NETコード内から直接利用できるAPIとしても提供されています。これにより、開発者はコードの字句解析、セマンティック解析、共通中間言語（CIL）への動的コンパイル、およびコード生成の各モジュールを直接利用し、カスタマイズされたコード解析ツールやリファクタリングツールを構築できます。

Roslynの主な特徴

Roslynの主な特徴は以下の通りです。

APIを介してサービスとして公開されるC#コンパイラ及びVB.NETコンパイラ: これにより、開発者はコンパイラの機能を自分たちのアプリケーションに組み込むことができ、コンパイルプロセスを細かく制御したり、動的なコード生成を実装したりすることが可能になります。
コード解析及びリファクタリングのためのAPI: Roslynは、コードの解析やリファクタリングを行うための豊富なAPIを提供します。これらのAPIを利用することで、開発者はコードの品質を向上させたり、バグを早期に発見したりするためのツールを構築できます。

歴史

Roslynは、.NET開発プラットフォームの進化において重要な役割を果たしてきました。従来のコンパイラがブラックボックスとして扱われていたのに対し、Roslynはコンパイラの内部構造をAPIとして公開することで、開発者による高度なカスタマイズを可能にしました。このアーキテクチャの変更は、.NET開発エコシステム全体の革新を加速させました。

アーキテクチャ

Roslynのアーキテクチャは、コンパイラのフロントエンド（字句解析、構文解析、意味解析）とバックエンド（中間言語への変換とコード生成）をAPIとして公開するという点で革新的です。これにより、開発者はコンパイラの各ステージでコードを検査し、修正することができ、コンパイラをツールとして利用する新しい可能性が開かれました。

関連項目

.NET Core

外部リンク

公式ウェブサイト
* roslyn - GitHub

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