S-1バトル

S-1バトル（エスワンバトル）とは

S-1バトルは、2009年3月1日から始まったお笑いコンテストで、ソフトバンクモバイルが主催しました。この大会は、漫才やコントなど、様々なネタを持つ芸人たちが参加できる場を提供していました。大会の注目点の一つは、その賞金の規模で、総額は2億2000万円に達し、特に年間チャンピオンには驚異の1億円が与えられました。

大会の概要

大会は、3分以内の映像を用いたネタで競い合うコンテスト形式で進行しました。参加芸人はソフトバンクの携帯電話ユーザーによる投票で月間チャンピオンが決定され、その勝者が年間王者を争うグランドチャンピオン大会への出場権を得ます。初年度の月間チャンピオンには賞金1000万円が贈られ、その豪華さが多くの話題を呼びました。

年間王者を決める『S-1グランドチャンピオン』大会は、3月に日本テレビ系列で放送され、視聴者による投票が行われました。この投票にはソフトバンクユーザー以外も参加可能で、司会には名だたる芸人が務めました。参加者は月間チャンピオンや敗者復活で勝ち上がった芸人、ゲスト芸人が含まれており、非常に多様性に富んだメンバーで構成されていました。

この大会は、優勝賞金の高さから「ギネス・ワールド・レコーズ」にも認定され、競艇や競輪の最高額賞金と並ぶこととなりました。

ルールと参加資格

S-1バトルには、コンビ結成期間や人数に制限はなく、ピン芸人や即席コンビでの参加も可能でした。ただし、芸能事務所・プロダクションに所属していることが応募条件となっていました。エントリーを希望する芸人は、未発表のネタを収めた映像作品をminiDVに録画し、参加を希望する月の15日までにソフトバンクモバイルに送付する必要がありました。

投票は、最初のうちは毎日2組の動画が配信され、ユーザーがどちらのネタが面白いかを投票する形式でしたが、後に改訂され、より多彩な評価方法が取り入れられるようになりました。特に2010年度からは、ユーザーによる高評価の作品が殿堂入りする新ルールが導入されました。

大会の評価と問題点

S-1バトルには、一部から厳しい評価が寄せられました。特に、開催趣旨や参加資格が不明確であったことが指摘されています。また、吉本興業が強くバックアップしている影響で、同社に所属する芸人が月間チャンピオンになるケースが多く見られ、一般の無名芸人が輩出されることはほとんどありませんでした。さらに、配信されるネタの品質のばらつきやハプニング映像など、そもそもお笑いの大会としての面白さに欠けるとの意見もありました。

そのため、2011年7月31日には大会が終了し、その後は『お笑いLIFE』へと名称が変更された別のイベントが開催されました。

終焉とその後

S-1バトルは、開催期間中に多くの話題を提供しましたが、参加資格や評価システムの不透明さが不満を招き、最終的には終了に至りました。その後のイベントも続かなかったことから、多くのファンが失望を感じたと言われています。S-1バトルは、その豪華賞金に反して、批評家やファンからの評価は芳しくない結果となりました。

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