S.W.A.T.

映画『S.W.A.T.』の詳細解説

2003年に公開されたアメリカ映画『S.W.A.T.』は、同名の1970年代のテレビドラマシリーズをリメイクしたアクション作品です。ロサンゼルス市警察の特殊部隊S.W.A.T.（Special Weapons And Tactics）を舞台に、新チームの結成と訓練、そして麻薬組織との壮絶な戦いが描かれます。

ストーリー

物語は、ロサンゼルスで発生した武装銀行強盗事件から始まります。パトロール警官では対応できない事態に、S.W.A.T.が出動。交渉による解決を目指しますが、隊員のギャンブル巡査が独断で突入し、人質を負傷させるという失態を犯します。ギャンブルの行動に引きずられたストリート巡査が犯人を制圧し事件は解決するものの、ギャンブルは責任を問われ、警察を辞職。一方、ストリートはスカンクワークス（武器庫管理）へ異動となります。二人の友情はここで終わりを告げます。

半年後、S.W.A.T.の立て直しのため、かつて隊員だったホンドーことダン・ハレルソン巡査部長が呼び戻されます。ホンドーは、パトロール警官のディーク、サンチェス、現隊員のボクサー、T.J.、そして復帰したストリートと共に新たなチームを結成。厳しい訓練を経て、正式な突入班として認められます。

同じ頃、麻薬組織のボスの息子であるアレックスが、組織の金を横領した叔父を殺害。その後、警察に身柄を拘束されますが、脱獄を企てます。ホンドーのチームは、アレックスの身柄を連邦刑務所に移送する任務に就きますが、アレックスの部下による襲撃に遭遇します。市街地での激しい銃撃戦の末、アレックスは逮捕されます。

しかし、逮捕されたアレックスが「自分を逃がしてくれた者に1億ドル支払う」と発言したことで、事態はさらに悪化。賞金目当ての悪党たちが動き出し、ホンドー率いるS.W.A.T.チームとの間で壮絶な市街戦が繰り広げられることになります。

登場人物

"ホンドー"ダン・ハレルソン: S.W.A.T.のリーダー。元海兵隊員で、冷静かつ高いプロ意識を持つ。
ジム・ストリート: S.W.A.T.隊員。元海軍特殊部隊員。ギャンブルの起こした事件で左遷されたが、ホンドーに復帰を促される。
クリス・サンチェス: S.W.A.T.隊員。シングルマザーで、気が強い性格。
"ディーク"ディーコン・ケイ: S.W.A.T.隊員。陽気な性格で、家族を大切にしている。
マイケル・ボクサー: S.W.A.T.隊員。ストリートの元彼女の兄で、当初はストリートに冷たく当たる。
T・J・マッケイブ: S.W.A.T.隊員。狙撃手。ギャンブルと手を組み、裏切り行為に及ぶ。
ブライアン・ギャンブル: 元S.W.A.T.隊員。ストリートの元同僚。攻撃的な性格で、S.W.A.T.を辞めた後、犯罪に手を染める。
アレックス・モンテル: 麻薬組織のボス。逮捕後、「1億ドルで逃がしてほしい」と発言し、騒動のきっかけを作る。

キャスト

サミュエル・L・ジャクソン（ホンドー）
コリン・ファレル（ストリート）
ミシェル・ロドリゲス（サンチェス）
LL・クール・J（ディーク）
ブライアン・ヴァン・ホルト（ボクサー）
ジョシュ・チャールズ（T.J）
ジェレミー・レナー（ギャンブル）
オリヴィエ・マルティネス（アレックス）

作品解説

本作の冒頭で描かれる銀行強盗事件は、1997年に実際に発生した「ノースハリウッド銀行強盗事件」を基にしています。この事件では、武装した犯人に対し、警察官の装備が不十分であることが明らかとなり、アメリカの警察組織に装備の見直しを促すきっかけとなりました。

また、オリジナル版のテレビドラマシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』のキャストであるスティーヴ・フォレストとロッド・ペリーがカメオ出演している点も、ファンにとっては見逃せないポイントです。

日本での公開とキャンペーン

日本では2003年9月27日に公開され、公開から4週間は「中1映画デビュー応援キャンペーン」として、生徒手帳を提示すれば中学1年生は無料で鑑賞することができました。

続編作品

『S.W.A.T. 闇の標的』（2011年）
『S.W.A.T. アンダーシージ』（2017年）

『S.W.A.T.』は、迫力あるアクションシーンと、S.W.A.T.隊員たちの人間ドラマが見どころの作品です。実在の事件を基にしたリアルな描写も、作品の魅力を高めています。

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