S3V

S3V爆雷の概要

S3V（ロシア語: С3В）は、ロシアのKTRV社によって開発された航空機発射型の誘導爆雷です。この爆雷は、メーカー名として「ザゴン」（ロシア語: Загон）という名称でも知られています。「ザゴン」は家畜を囲うことを意味しており、爆雷の特性に関連する名前でもあります。

性能の詳細

S3Vは、主に水上から水深600メートルまでの潜水艦をターゲットとして設計されています。運用環境は水深150メートル以上、海況は6以下である必要があります。この爆雷は、Tu-142やIl-38哨戒機、Ka-28対潜ヘリコプターなどを利用して運用されます。また、Su-30やSu-57などの戦闘機からの発射も可能です。

この爆雷は、推進器を持たず、パラシュートを用いて投下されます。着水後にパラシュートを切り離し、自重で沈降します。沈降する際には、搭載されたソナーによって標的を探知し、誘導を行います。水深200メートルでの命中率は、通常の爆雷の1.2倍から1.5倍、600メートルでは4倍から8倍に達するという高い精度が特徴です。KTRV社は、この爆雷が通常の爆雷に比べてコストパフォーマンスが良く、メンテナンスフリーであることも強調しています。

型式について

S3Vは複数の型式が存在しており、代表的なものには以下のようなものがあります。

• - ザゴン-1: 制式化された型です。
• - ザゴン-2: 現在開発中の改良型です。

諸元

S3Vの基本的な諸元は以下の通りです。

• - 沈降速度: 16.2メートル/秒
• - 最大降下角度: 60°
• - 最大捕捉半径: 120メートル
• - 炸薬重量: 19キログラム
• - 全長: 1.3メートル
• - 直径: 0.21メートル
• - 総重量: 94キログラム

採用国

この爆雷は、ロシア海軍や中国人民解放軍海軍に採用されており、両国の対潜能力を強化する重要な装備として位置付けられています。

結論

S3V爆雷は、その高い運用性能やコスト効率性により、現代の海上軍事作戦において重要な役割を果たしています。航空機からの効果的な発射や、潜水艦への高い命中率が、この爆雷を非常に有用な兵器としています。今後、改良型のザゴン-2がどのような性能を持つのかも注目されるところです。

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