SAKANAQUARIUM2024 "turn"

SAKANAQUARIUM2024 "turn" ライブツアー

サカナクションが2024年に開催したライブツアー『SAKANAQUARIUM2024 "turn"』は、単なる復帰公演ではありません。ボーカル山口一郎の活動休止、うつ病との闘い、そしてバンドとしての新たな決意が込められた、特別な意味を持つツアーとなりました。

活動休止から再始動へ

2022年7月、山口一郎は体調不良を理由に休養を発表。その後、うつ病であることを公表しました。バンドの活動は一時休止となり、予定されていたツアーは中止。しかし、2023年7月にはコンピレーションアルバムのリリースと、山口ソロによる「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」ツアーで再始動への狼煙を上げます。このツアーは、山口のリハビリを兼ねたものでした。

2024年1月、「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」ツアーの最終公演で、山口は自らの病状を告白。そして、サカナクションのメンバー全員が登場し、「新宝島」を演奏後、完全復活を宣言する「SAKANAQUARIUM2024 "turn"」の開催を発表しました。

"新しいサカナクション"というテーマ

"turn"ツアーは、単なる復活ではなく、「新しいサカナクション」を標榜するものでした。山口は、うつ病を克服するのではなく、うつ病と共に生きることを前提に、新たな音楽活動を続けていくと語っています。ツアー中には体調を崩すこともありましたが、全15公演を完遂。最終公演では、活動20周年に向けてドームライブを開催したいという目標も語られました。

プロモーションと演出

ツアーの情報解禁は、「懐かしい月は新しい月 "蜃気楼"」の千秋楽公演。サンテFXとの協賛や、ぴあアリーナMMでの追加公演も発表されました。山口がプロ野球の始球式に登場するなど、話題を集めるプロモーションも展開。ABEMAではドキュメンタリー映像が公開され、オンラインくじも開催されました。

総合演出は田中裕介が担当。各会場でセットリストが異なる2パターンの公演が行われました。ライブでは、「陽炎」「ショック！」など、過去のミュージックビデオ出演者が登場する演出も。音響面では、独自のシステム「SPEAKER＋」を導入し、会場全体で質の高い音楽体験を提供しました。

配信と劇場映画

ぴあアリーナMM公演は生配信され、最終日の模様は劇場映画としても公開されました。映画では、5.1chサラウンド版とドルビーアトモス版の2種類の上映方式を採用。「ライブ鑑賞デー」と「シネマ鑑賞デー」を設定し、観客が自由に鑑賞スタイルを選べるように工夫されました。また、この公演の模様を収録した映像作品が2025年3月にリリースされる予定です。

評価と脅迫事件

"turn"ツアーは、多くの音楽メディアで肯定的に評価されました。山口の「弱さ」を受け入れたこと、バンドの肉体的な力強さ、そして利益を度外視したような演出構成などが評価されています。

しかし、ツアー開催に対して脅迫行為が行われ、2025年1月には容疑者が逮捕されるという事件も発生しました。この容疑者は、過去の公演やイベントでも同様の脅迫行為を行っていたことが明らかになっています。

"SAKANAQUARIUM2024 "turn""は、サカナクションにとって、苦難を乗り越え、新たなスタートを切るための重要なツアーとなりました。彼らの音楽に対する真摯な姿勢と、常に進化を続ける姿勢は、多くのファンに感動と勇気を与えています。

もう一度検索