SAPオープン

SAPオープンは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼのHPパビリオンで、毎年2月第2週に開催されていたATPツアートーナメントです。サーフェスは屋内ハードコートが用いられていました。大会のグレードは、1997年大会まではATPワールドシリーズ、2008年大会まではATPインターナショナルシリーズ、そして2009年大会から2013年大会まではATPワールドツアー250シリーズに属していました。

大会のグレード自体は高くありませんでしたが、テニス普及の黎明期である19世紀から120年以上続く大会であり、アメリカ国内では全米オープンに次ぐ古い歴史を持つ伝統ある大会として知られていました。しかし、残念ながら2013年度の大会を最後に終了してしまいました。

歴史

SAPオープンの起源は、1889年にカリフォルニア州モントレーのオールド・デルモンテ・ロッジで第一回大会が開催された、太平洋岸選手権（the Pacific Coast Championship）に遡ります。アメリカ国内のテニストーナメントとしては、1881年開始の全米オープンに次ぐ2番目の歴史を持つ大会であり、これは全豪オープンや全仏オープンよりも長い歴史を持つことを意味します。

開催場所としては、バークレーのバークレー・テニス・クラブやサンフランシスコのサンフランシスコ・シビック・センターが長く用いられてきました。しかし、1993年にサンノゼに「サンノゼ・アリーナ」(現在のHPパビリオン)が建設されたことを受け、翌1994年大会からHPパビリオンが一貫して開催場所となりました。

以前は男女共催大会として開催されていた時期もあり、女子シングルス部門は1922年大会から1972年大会まで、女子ダブルス部門は1923年大会から1969年大会まで存在しました。また、グランドスラム大会以外では珍しく混合ダブルス部門も併設されており、こちらは1930年大会から1967年大会まで存在していました。

大会は第二次世界大戦中にも開催が継続されていました。当時の選手の中には、軍務に就きながらテニス選手を続けていた者もいたため、当時のドロー表には選手名と共に軍人としての肩書きが併記されていたという記録が残っています。

男子シングルス、男子ダブルス、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの歴代優勝者については、詳細な記録が残っています。女子シングルス部門については、1948年大会から1950年大会の期間は全米女子ハードコート選手権の合同大会として扱われていました。

SAPオープンは、その長い歴史の中で、数々の名選手が名を刻み、多くのテニスファンに愛されてきた大会でした。大会終了は惜しまれますが、その功績はテニス史に深く刻まれています。

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