SB19

SB19（エスビーナインティーン）

SB19は、フィリピンを拠点に活動する5人組の男性アイドルグループです。彼らはP-POP（フィリピン・ポップ）シーンのパイオニアとして知られ、その卓越したパフォーマンスと音楽性で国内外から高い評価を得ています。グループは現在、自らが設立した1Zエンタテインメントに所属し、セルフマネージメント体制で活動を展開しています。公式ファンネームはA'TIN（エイティーン）と呼ばれ、グループ名「19」の前に「18」があること、そしてタガログ語で「私たちの」を意味する言葉に由来し、「ファンは私たち自身であり、常に共にいる存在」という深い絆を表しています。

結成と初期活動

SB19の歴史は、2016年に始まりました。数百名が参加したタレント発掘オーディションを通じてメンバーが選ばれ、彼らは韓国のK-POPアイドルに準ずる、非常に厳しいトレーニングを積みました。当初は企業のイベントなどでの活動を想定していましたが、当時のプロデューサーの判断により、本格的なボーイズグループとしての活動へと方針が転換されました。

2018年5月16日、パブロ、ステル、ケン、ジョシュ、ジャスティンの5名が正式なデビューメンバーとして発表され、同年10月26日にはシングル『Tilaluha』で待望のデビューを果たしました。

ブレイクと世界への広がり

グループの知名度が飛躍的に向上したのは、2019年7月19日にリリースされたシングル『Go up』のパフォーマンスビデオがきっかけです。このビデオがファンの手によってTwitterやFacebookなどのSNSで拡散されると、彼らの高いダンススキルと歌唱力、そして洗練されたK-POPライクなスタイルが瞬く間に注目を集め、大きな話題となりました。

この勢いを背景に、SB19はフィリピンのアーティストとして初めて、Billboardのネクスト・ビッグ・サウンド・チャートにランクインする快挙を達成しました。さらに、同年12月28日付のBillboardソーシャル50チャートでも28位を獲得するなど、その影響力は国内外へと急速に広がりました。

活動の拡大と主要作品

『Go up』の成功を受け、SB19は2019年12月22日から、フォローアッププロモーションの一環としてライブツアー「SB19：Get in the Zone」を敢行。フィリピン国内の10都市を巡り、多くのファンを熱狂させました。同月25日にはソニー・ミュージック・フィリピンと契約を締結し、同日にシングル『Alab (Burning)』をリリースしました。

2020年7月31日には、初のアルバムとなる『Get In The Zone』を発表。続いて2021年7月22日にはミニアルバム『Pagsibol』をリリースするなど、精力的に作品を発表し続けました。

彼らのグローバルな活躍は目覚ましく、2021年4月29日には、BTS、BLACKPINK、アリアナ・グランデといった世界的なアーティストと並び、東南アジア出身アーティストとして初めてビルボード・ミュージック・アワードにノミネートされるという歴史的な快挙を成し遂げました。

最新の活動とフィリピン文化への貢献

2022年9月2日にシングル『WYAT (Where You At)』をリリースした後、同年10月からは彼らにとって初のワールドツアーとなる「WYAT Tour」を開催し、世界中のファンと直接交流する機会を持ちました。2023年6月9日にはミニアルバム『PAGTATAG!』を発表。この作品のリード曲「GENTO」は、ビルボード・ワールド・デジタル・セールスチャートで8位を獲得するなど、国際的なチャートでも存在感を示しました。

2024年4月には、「PAGTATAG! World Tour: Japan」で待望の初来日公演を実現しました。フィリピンのアーティストが日本で単独コンサートを行うのは約10年ぶりという、特筆すべき成果となりました。さらに、2025年4月25日にはソニーミュージックフィリピンから3枚目のEP『Simula at Wakas』をリリースし、リード曲「DAM」のミュージックビデオはYouTubeで1000万回再生を超えるなど、その人気は健在です。

SB19は音楽活動にとどまらず、フィリピン文化の発信にも大きく貢献しています。2021年12月16日には、フィリピン大統領府傘下の公式文化機関である国家文化芸術委員会（NCCA）から、フィリピン文化を代表するユースおよびセントロ リサール大使に任命されました。NCCAは、彼らがグローバルな舞台でフィリピンの精神、音楽、文化を広めるために行っている活動を高く評価しており、SB19はフィリピンのソフトパワーを体現する存在としても期待されています。

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