SCARS (グループ)

SCARS (スカーズ): 川崎発、リアルを刻むヒップホップ・クルー

SCARSは、2003年頃に神奈川県川崎市で結成された日本のヒップホップユニットです。7人のMCと2人のトラックメイカーを中心に構成され、その音楽は日本のヒップホップシーンに大きな影響を与えてきました。グループ名の由来は、リーダーであるA-THUGが映画『スカーフェイス』に感銘を受け、名付けられたとされています。

ハスリングラップの先駆者

SCARSは、日本において初めてハスリング（麻薬密売などの犯罪行為）をテーマにしたラップを始めたグループと言われています。ストリートでのリアルな生活、成功や挫折、仲間との絆などを赤裸々に表現したリリックは、多くのリスナーの共感を呼びました。

メンバー構成

現在のメンバーは以下の通りです。

SEEDA（シーダ）（MC）
BES（ベス）（MC）
A-THUG（エイサグ）（MC、リーダー）
STICKY（スティッキー）（MC、2021年逝去）
bay4k（ベイフォーケー）（MC）
MANNY（マニー）（MC）
林鷹（ハヤシタカ）（MC）
SAC（サック）（トラックメイカー）

過去には、I-DeA（アイデア）（トラックメイカー）やDJ ISSO（ディージェイイッソ）（DJ）、HAZE（ヘイズ）などがメンバーとして在籍していました。I-DeAは脱退後もグループの活動をサポートし続けています。

結成から現在まで

SCARSは、A-THUGの中学時代の友人を中心に結成されました。その後、SEEDA、BES、I-DeA、STICKYなどが加わり、本格的な音楽活動を開始します。A-THUGは、10代の頃からスケートボードやダンスに親しみ、ストリートカルチャーに影響を受けます。ニューヨークへの渡米経験からハスラーの生き方に触れ、帰国後、自らもストリートライフに身を投じていきます。その中で、仲間たちと「オレら、スカーズだべ」という会話からSCARSが結成されました。

2006年には、1stアルバム『THE ALBUM』をリリース。I-DeAがトータルプロデュースを手掛け、音楽雑誌「blast」で高い評価を得ました。2008年には、2ndアルバム『NEXT EPISODE』を発表。しかし、メンバーの不参加や不和など、様々な問題を抱えながらの制作となりました。

その後も、MIX CDのリリースやソロ活動などを展開しますが、2021年にSTICKYが逝去。SCARSは大きな悲しみを乗り越え、現在も活動を続けています。

リリース作品

アルバム
『THE ALBUM』（2006年）
『NEXT EPISODE』（2008年）
『SCARS EP』（2010年）
MIX CD
『SCARS PRESENTS THE MIX』（2009年）
DVD
『RED LINE VOL.1』（2008年）
* 『SPRING JAM 2012』（2012年）

音楽性

SCARSの音楽は、ストリートでの生活や感情をリアルに表現したリリック、そして、I-DeAを中心としたトラックメイカー陣によるクオリティの高いサウンドが特徴です。ハスリングをテーマにした楽曲だけでなく、仲間との絆や人生の苦悩、希望などを歌った楽曲も多く、幅広い層のリスナーに支持されています。

SCARSは、日本のヒップホップシーンにおいて、独自のスタイルを確立し、大きな影響を与え続けているグループです。彼らの音楽は、これからも多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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