SEE YA

アルバム『SEE YA』の概要

アルバム『SEE YA』は、CHAGE and ASKAの13作目のオリジナルアルバムとして、1990年8月29日にポニーキャニオンから発売されました。本作は、ASKAがロンドンに移ってから制作した初の作品であり、その背景には彼の音楽スタイルを刷新する思いが込められています。これまでの「万里の河」に象徴される大陸的なイメージから脱却し、よりポップな楽曲を目指す姿勢が反映されています。

背景

ASKAは、過去のアルバムでポップな楽曲を制作するも、メディアは依然として彼らを大陸的な演歌フォークとして紹介していました。彼はこのイメージを変えるため、制作拠点をロンドンに移し、より自由な表現を追求することにしました。「SEE YA」というタイトルは、ロンドンで使われるカジュアルな挨拶の略語で、親しみやすさを感じさせます。

制作プロセス

1989年の12月にASKAがロンドンに渡り、全ての制作を一手に組織しました。CHAGEも1990年の4月に渡英し、2ヶ月間にわたり本格的にレコーディングを行いました。なお、本作の先行シングルとして「DO YA DO」が選ばれましたが、もともとは「太陽と埃の中で」も候補とされていました。CHAGEとASKAは、シングルにふさわしい楽曲を選ぶために議論し、最終的に「DO YA DO」が選ばれましたが、「太陽と埃の中で」は代表曲として愛され続けます。

批評と受け入れられ方

ASKAはロンドンに移り住み、外出せずに制作に専念しましたが、メディアは彼の状況を「ロンドン音楽留学」と扱いました。彼自身は、メディアの報道によって「洗練されたイメージ」が形成されたと語っています。このことからも、本作をリリースする際のASKAの戦略的な意図を窺うことができます。

発売と販売成績

『SEE YA』の初回限定盤にはスリーブケースとブックレットが付属しており、CDジャケットには「CHAGE AND ASKA」のロゴが使用されています。また、2009年10月にはSHM-CDとして再発売されました。オリコンによる累計売上は51.4万枚を誇ります。

ツアー

本作の発売前には「CONCERT TOUR'90～'91『SEE YA!!』」が開催され、全国のホールや市民会館でパフォーマンスが行われました。このツアーは、アルバムを引っ提げての重要なプロモーション活動でした。

収録されている楽曲

本作には、数々の印象的な楽曲が収められています。「DO YA DO」や「水の部屋」、「ROLLING DAYS」は特に人気があります。それぞれの楽曲は、作詞・作曲において独自のアプローチがなされ、シングルやCMソングとしても広く知られています。特に、「水の部屋」は当時のCMに起用され、多くの人に親しまれました。

参加ミュージシャン

本作には多くの著名なミュージシャンが参加しています。ロンドンセッションでは、Jess Baileyがキーボードを担当し、Neal Wilkinsonがドラム、Steve Pearceがベースを演奏しました。一方、日本セッションには村上啓介や江口信夫などが参加し、充実した音楽制作を支援しました。

映像作品としての展開

アルバムに関連するミュージック・ビデオ集も発表されており、主にロンドンで撮影された映像が収録されています。「太陽と埃の中で」を除いた多くの曲のMVが含まれており、本作の魅力を映像でも楽しむことができます。これにより、『SEE YA』は音楽だけでなく視覚的な楽しみも提供しています。

このように、アルバム『SEE YA』はCHAGE and ASKAの音楽キャリアの中で重要な一作であり、多くの評価を得ています。

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