SET IT OFF

映画『SET IT OFF』の概要

『SET IT OFF』（セット・イット・オフ）は、1996年に公開されたアメリカの映画で、女性たちが困難に立ち向かう姿を描いています。作品は、銀行強盗という禁忌な行為を通じて、社会の不条理や友情、裏切りといったテーマを探求しています。特に、主人公たちの内面の葛藤と、彼女たちを取り巻く運命の厳しさに焦点が当てられています。

ストーリーの展開

物語は、銀行員であるフランキー（ヴィヴィカ・フォックス）が、知り合いのダニエルの銀行強盗現場で目撃した事件から始まります。ダニエルは強盗の最中に射殺され、フランキーはその手引きを疑われて職を失います。失業により将来に不安を抱える彼女は、ビル清掃員の友人たち、ストーニー（ジェイダ・ビンケット）、クレオ（クィーン・ラティーファ）、T・T（キンバリー・エリス）と共に銀行強盗を計画することになります。

当初は慎重だった彼女たちも、それぞれの生活に重くのしかかる現実に直面し、特にストーニーの弟が誤って射殺されるという悲劇がきっかけで、強盗計画に本格的に踏み切ります。彼女たちは最初にロサンゼルスの銀行を襲撃し、好調な滑り出しを見せますが、その後訪れる厳しい現実が待ち受けていました。

初回の強盗が成功し、手に入れた金額は29万6千ドル。しかし、運の悪さから仲間のルーサーにその金を持ち逃げされるなど、彼女たちは次々に不幸がのしかかってきます。罪の意識や恐怖感に悩まされながらも、このままでは終われない、という思いが彼女たちを再度の強盗行為へと駆り立てました。

次のターゲットは連邦銀行。計画が進む中、ストーニーの弟を誤って射殺したストロード刑事（ジョン・C・マッギンリー）が、彼女たちを追跡し続けます。緊迫した状況の中で、彼女たちは果敢に銀行に立ち向かうことを決意しますが、事態は急速に悪化しています。

強盗当日、彼女たちは一時的に金を奪うことに成功しますが、ストロードが現れたことで混乱が生じます。その結果、T・Tが射殺され、残された3人は逃亡を続けるものの、再び不幸が襲います。クレオも戦いの中で命を落とし、ストーニーはフランキーを守ろうと奮闘します。

結末

最終的に、ストーニーはフランキーの目の前で銃撃されてしまいますが、フランキーだけが生き残り、田舎に向かいます。彼女は自己を偽ることなく再び人生をやり直す覚悟をし、頭を刈り上げて新たなスタートを切るのです。生き残ったフランキーの姿は、どんな困難に直面しても希望を求め続ける人間の強さを象徴しています。

『SET IT OFF』は、友情や社会に対する反抗、個人の成長といった普遍的なテーマを扱っており、視聴者に深い思索を促す作品となっています。

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