SHOCKER ショッカー

SHOCKER ショッカー

2007年にカナダで製作されたホラー映画で、原題は『Seed』。日本においては劇場公開は見送られ、ソフト媒体でのリリースに留まった作品である。監督は数々のテレビゲーム原作映画を手掛けてきたウーヴェ・ボル。彼にとって本作は、珍しいオリジナル企画に基づいた作品となっている。

物語の中心となるのは、アメリカで最も悪名高き殺人鬼とされるマックス・シード（ウィル・サンダーソン）。彼はその凶行の代償として、電気椅子による死刑に処されることとなる。しかし、刑の執行は予期せぬ事態を迎える。一度ならず、三度にわたって強烈な電流が彼の体を貫くにも関わらず、シードの心臓は鼓動を止めなかったのだ。

この州には、「三度の刑執行をもってしても囚人が絶命しない場合、その囚人は自由の身となる」という異例の州法が存在する。これは悪魔とも称されるシードを社会に再び解き放つことを意味しており、看守や担当捜査官たちはこの事態に困惑する。

担当捜査官であるビショップ（マイケル・パレ）をはじめとする関係者たちは、法の抜け穴を利用してシードを釈放することを拒否する。彼らは極秘裏に、シードが死亡したかのように偽装し、生きたまま土深く埋めるという非人道的な措置を取ることにした。これは、彼らの正義に基づいた、しかし倫理的には極めて問題のある判断であった。

しかし、その行為もシードを完全に葬り去ることはできなかった。土中の暗闇から奇跡的に、あるいは悪夢のように蘇ったシードは、自らを葬ろうとした者たちへ、凄惨な報復を開始する。彼に関わった全ての人物が、一人また一人とシードのターゲットとなり、無残な最期を迎えていく。

そして、ついに彼の凶行は、担当捜査官ビショップの愛する妻子へと向けられる。妻と娘を誘拐されたビショップは、全てを投げ打ってシードの隠れ家へと乗り込むことを決意する。そこには、想像を絶する恐怖が待ち受けていた。そして、彼は家族を救うため、そして自らの犯した過去の選択と向き合うため、究極の決断を迫られることになる。

主要キャストには、捜査官ビショップを演じるマイケル・パレのほか、マックス・シード役のウィル・サンダーソン、ラルフ・モーラー、ジョデル・フェルランドらが名を連ねている。法と倫理の狭間で下された誤った判断が招く悲劇と、それが引き起こす連鎖的な復讐を描いた、見る者に重苦しい後味を残す作品である。

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