SHOGUN (漫画)

SHOGUN（ショーグン）

『SHOGUN』は、原作を史村翔、作画を所十三が手掛けた日本の漫画作品です。1988年から1991年まで、『週刊少年マガジン』（講談社）で連載され、単行本は全13巻で刊行されました。巨大財閥を相手に、一人の青年がビジネスという名の戦いを挑む、熱いドラマが展開されます。

あらすじ

物語は、上野公園で浮浪者として暮らす17歳の緒方晋作が、伊能コンツェルン会長とその孫娘・伊能新子との出会いをきっかけに、生き別れた父であり巽コンツェルン総裁の巽貴明と再会するところから始まります。しかし、母の遺骨を侮辱された晋作は、父への復讐を決意。金も力もない彼は、自身の強運、魅力、そして天性の商才を武器に、巽コンツェルン打倒を目指し、政財界を相手に、世界を舞台にしたビジネスチャレンジに乗り出します。

登場人物

主人公

緒方晋作: 上野公園に住む17歳の浮浪者。実は巽貴明の息子。父への復讐を誓い、緒方商事を設立。父から受け継いだ商才と屈強な肉体を武器に、ビジネス界で頭角を現していきます。幼少期に母親とヨーロッパを放浪していたため、フランス語が堪能。浮浪者仲間からは「大将」と呼ばれ、慕われています。F共和国では、大統領の命を救ったことから、F国防軍准将の称号を与えられています。

巽コンツェルンの人々

日本屈指の巨大企業グループ。2,000社を超える系列子会社を持ち、総資産は60兆円を上回ります。政財界にも大きな影響力を持っています。

巽貴明: 巽コンツェルン総裁。首相ですら頭を下げるほどの権力者。ブラジルのアマゾン地域開発、横浜ウォーターフロントの総合開発に力を注いでいます。かつて愛した雪絵に去られたことを恨み、息子だと名乗る晋作を徹底的に追い詰めようとします。しかし、後に五代にコンツェルンを乗っ取られかけ、自身も病に倒れたことがきっかけで、雪絵が自らの意思で別れたのではない事実を知り、晋作と和解。五代の一件後には復帰し、細川を社長に迎え、秘書の板垣と共に晋作の成長を見守ります。
五代正吾: 22歳にして巽本社の副社長に迎えられた天才青年。20歳でハーバード大学の全課程を修了し、1年で同大学ビジネスコースを首席で卒業。タツミアメリカの顧問に抜擢された後、アメリカ大統領選でバッシュを勝利に導くシナリオを描き上げました。晋作のライバルとして、幾度となく激突します。
巽美保: 巽貴明の娘。足が不自由で車椅子での生活を送っています。上野駅前の階段で転倒したところを晋作に助けられ、運命的な出会いを果たします。絵画が得意。貴明から五代との政略結婚を勧められますが、晋作と父との関係を知り……。
細川: 先代総裁・輝明の右腕として活躍した老齢の男性。現在は、巽観光開発の赤字部門である都心の友愛動物園の園長を務めています。巽家で孤立する雪絵を理解し、最後まで見守りました。晋作の身体にある特徴的な痣を最初に見た人物で、晋作が貴明の実子であることを確信しています。後に巽コンツェルンの社長に任命され、親子二代に渡って右腕となります。
板垣: 貴明の秘書。スキンヘッドが特徴的。常に貴明の指示に従って行動します。
巽輝明: 巽コンツェルン先代総裁で、貴明の父。雪絵に冷たく当たっていましたが、その真意は貴明を立派な事業家として育てるためでした。時には非情な決断を下さなければならない立場になる息子を案じ、「（貴明）のことを本当に想うなら、あれと別れてくれ！」と涙ながらに土下座し、雪絵を離縁させたことが、物語の発端となります。

伊能グループの人々

巽コンツェルンと激しい競争を繰り広げる巨大企業グループ。

伊能会長: 伊能グループを日本一に育て上げた強運と才能の持ち主。上野公園で出会った晋作の強運と魅力に惚れ込み、1億円を託します。
伊能新子: 伊能会長の孫娘。バイクを乗りこなす活発な女性。留学時代に五代と因縁がありました。祖父に紹介された晋作に惹かれ、美保にライバル関係を宣言します。

緒方商事

緒方晋作が上野の浮浪者仲間たちと立ち上げた会社。水産部「緒方水産」も設立し、様々な分野で巽グループと商戦を繰り広げます。

軍曹: 上野の浮浪者仲間。傷だらけの顔が特徴。常に軍帽を被り、晋作を支えます。
教授: 上野の浮浪者仲間。元東大教授の白武で、生命化学の分野で名を馳せていましたが、学会の権力争いに嫌気がさし、身を隠していました。伊能化学の石川など、各界に教え子がいます。化学生産の面で晋作を大きくサポートします。
坂崎: 当初は貴明の工作員として妨害のために潜り込んでいましたが、荒海のマグロ漁船で晋作に命を救われ、盃を交わして仲間となります。

その他

緒方雪絵: 巽貴明と恋仲になるも、入籍前に貴明と別れ、パリで晋作を出産。バレリーナとして晋作と共にヨーロッパを放浪しますが、本編開始の5年前に病死。貴明の下を去ったのは、彼の父・輝明からの懇願によるものでした。

中森今日子: 人気絶頂のトップアイドル。突然目の前に1億円を積んで現れた晋作に平手打ちを食らわせますが……。

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