一般社団法人SLカートスポーツ機構について
一般社団法人SLカートスポーツ機構は、日本国内における
レーシングカート関連業務を担当する団体です。この機構は、
1974年に
ヤマハ発動機が中心となり創設された『ヤマハSLカートクラブ』と全国の
レーシングカートコースが参加する『日本カートランド協会』の2つの団体が
2006年に統合されて設立されました。なお、これらの団体は2010年も存続しており、新団体は上位の組織として位置づけられています。
SLという名称は「SPORT & LEISURE」の略であり、趣味としてカートを楽しむホビーレーサー向けのライセンスやイベントを推進することに特化しています。特に、SLライセンスの取得と、それに関連するレースイベントは、ホビーとしての
レーシングカートを楽しむ人々にとって大きな魅力となっています。
SLライセンスの紹介
SLライセンスは、非公式ながらもホビーレーサーに特化した
レーシングカート用のライセンスとして知られています。もともと、
レーシングカート用のライセンスは
日本自動車連盟(JAF)が発行していましたが、このライセンスは本格的な競技者向けであり、取得には講習や高額な発給費用がかかるため、多くのホビー愛好者には手が届きにくいものでした。そのため、SLカートクラブが独自に発行を始めたのがSLライセンスです。
SLライセンスは、JAFと良好な関係を保ちながら、趣味でレースを楽しむ人々を支援する役割を果たしています。JAFの公式ホームページでも、SLライセンスは「趣味としてレースを楽しみたい人向け」として紹介されています。このライセンスは、JAFライセンスとは異なり、特に子供たちに配慮されており、ヤマハの「TRYカートスクール」を受講した場合には満8歳から取得が可能です。これに対し、JAFライセンスは最低でも10歳に達しなければ取得できません。
さらに、SLライセンスは将来的なプロドライバーを目指す子供たちに対して、貴重なキャリアパスを提供します。SL全国大会の優秀者には、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)への特別招待があり、ここからプロの世界へと進むステップを確保することができます。実際、SLカートからは
小林可夢偉など著名なドライバーが輩出されています。
SLカートの特徴とエンジンの使用
SLカートスポーツ機構は、ヤマハが母体として設立されているため、参加できるレースの多くはヤマハエンジン(2021年現在のKT100シリーズなど)が使用されることが特徴です。この一貫したエンジンの使用は、
レーシングカートのレースシーンにおいて重要な要素となっています。
最後に、SLカートスポーツ機構は、ライセンスの発給だけでなく、全国各地で行われる「SLカートミーティング」の後援や、「SL全国大会」の開催といった活動も行い、レース界全般の発展を目指しています。これにより、初心者から上級者まで多様なレーサーたちがそれぞれのレベルで楽しむことができる環境を整えています。
SLカートスポーツ機構は、ホビーレーサーが情熱を持ってカートに取り組むための強力なサポートを行っています。