SOUNDTRACK 〜Beginning & The End〜

SOUNDTRACK 〜Beginning & The End〜

『SOUNDTRACK 〜Beginning & The End〜』は、日本のミュージシャンである吉井和哉が2018年6月13日にリリースしたライブアルバムです。この作品は、彼の音楽活動における重要な節目を捉えたものであり、特に2015年12月28日に日本武道館で開催された「Beginning & The End」と題された単独公演の模様を中心に構成されています。

アルバムの構成

本アルバムは全13曲を収録しており、その大半は前述の日本武道館公演における演奏から選りすぐられたライブ音源で占められています。ライブならではの臨場感あふれるパフォーマンスが収められている一方で、特筆すべきは、この作品のために新たにレコーディングされたスタジオ音源の新曲「Island」が加えられている点です。これにより、ライブという一瞬の輝きと、スタジオワークで生まれる新たな創造性が一つのパッケージにまとめられています。

ライブ収録楽曲

2015年12月28日の日本武道館公演では、多様な楽曲が披露されました。アルバムには、その中から以下の12曲がライブ音源として収録されています。

MY FOOLISH HEART
シュレッダー
FLOWER
CALL ME
(Everybody is)Like a Starlight
点描のしくみ
恋の花
血潮
HEARTS
TALI
トブヨウニ
ノーパン

これらの楽曲は、当日の全24曲のセットリストの中から選ばれており、ライブの一部分を切り取りつつも、公演全体の流れや熱気を伝える構成となっています。

新曲「Island」について

アルバムに彩りを添える新曲「Island」は、スタジオで新たに録音された楽曲です。この曲には「宗教画」という仮タイトルが存在しており、そのタイトルからも示唆されるように、吉井和哉の深い精神性や信仰観が反映された内容となっています。

彼は自身の詩集の中で、「Island」に込めた思いについて具体的に語っています。それによれば、彼は特定の宗教に帰依しているわけではないとしつつも、「神様」と呼べるような存在を信じているといいます。その対象は、かつては亡くなった父や祖母、先祖であり、あるいは親友であったりもしたと述べ、時を経てその存在はより大きなものへと変化していったと綴っています。

さらに彼は、詩の中に「神」という言葉を用いることに安心感を覚えると正直に明かし、健在な母もいつか「神」に近い存在となる日が来るかもしれないし、自分自身が先にその領域に足を踏み入れる可能性もあると考えていると述べています。そして、そのような高邁なテーマと並行して、日々の生活における些細なことや、いわば「ゴミ」のような日常的な出来事も同時に歌い続けていきたいという、彼の創作における根源的な姿勢が示されています。

アルバムが描く世界

『SOUNDTRACK 〜Beginning & The End〜』は、過去のライブパフォーマンスと現在のスタジオワークが融合したことで、吉井和哉というアーティストの多角的な側面を提示しています。「Beginning & The End」という公演タイトルが示す通り、キャリアにおける一つの区切りや、物事の始まりと終わり、あるいはその両義性といったテーマが、収録された楽曲群を通じて浮かび上がってきます。このアルバムは、単なるライブ記録にとどまらず、彼の音楽観や人生観に触れることができる、深みのある作品と言えるでしょう。

もう一度検索